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直流給配電がひらく未来



はじめに

一般的に目にする電力の供給源であるコンセント(アウトレット)から供給される電力は『交流』です。これは、送電線において、できるだけ多くの電力を送るためには電圧を高くすると、電線が太くならないということに起因しており、経路上における電圧の変換、つまり実際に使用する電圧にさげるためには交流の方が容易であるという側面を持っているためです。
もう一つの側面は、電気を生成する「発電」において、多くの場合、発電機のタービンを回転させて電力を生成するため、交流による電力の方が作りやすいということもありました。

しかし電力を消費するという観点でまわりを見渡してみると、ほとんどの機器は直流の電力を用いて動作しています。パーソナルコンピューターやテレビなどのAV機器はもとより、モーターを用いている洗濯機やエアコン、冷蔵庫でさえ、電源として接続されている交流を、いったん直流に変換したうえでインバーターを用いるようになっています。いまでは交流電源のままで動作している機器を探す方が困難な状況ともいえます。

さらに、太陽電池パネルや燃料電池といった直流の電力を生成する発電方式も多く見受けられるようになってきていますし、そもそも電力系統の信頼性を高めるために用いるバッテリーは直流を用いています。
大規模な発電所から、電力を消費する場所までの電力伝送を交流で行うことはまだよいのですが、消費を行う場所の近辺においては、交流と直流の変換が入り乱れる状況となり、無視することができない変換損失が発生してしまっています。

最終的に電力を消費する機器の多くが、直流の電力で動作するということから、電力を消費する場所近辺における送配電を、直流に一本化して整理することによって、電気としての無駄を削減できるとともに、さらに従来よりも操作性を向上させることも可能となります。

ここでは、こうした直流給配電を導入することによるメリットと、そのために越えなければならないハードルなどについて考えていきたいと思います。


村文夫

環境テクノロジー事業部
グリーンソリューションビジネスユニット   グループ長

村 文夫



松本信幸

環境テクノロジー事業部
グリーンソリューションビジネスユニット   チーフエンジニア

松本 信幸