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OSSコラム
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Linuxカーネル ~OSカーネルの品質を向上することが急務~

株式会社NTTデータ ニューソン
基盤サービス事業部 基盤ソフトウェアBU
主任
半田 哲夫
はじめに
inuxカーネルの品質向上を支えているsyzbotが、注目を集めてきている。その理由と、Linux 5.1で達成される小さな改善について紹介する。

株式会社NTTデータ ニューソン
基盤サービス事業部 OSS-BU
主任
澤田 雅彦

グローバルテクノロジー事業部
ビジネスコンサルティング担当 第一ビジネスコンサルティンググループ 主任
Amit Langote
PostgreSQL 11新機能
はじめに
私は、品川にあるNTT OSSセンタでNTT関連会社のPostgreSQLを利用しているシステムのサポート業務や、PostgreSQL本体、周辺ツールの開発に携わっています。PostgreSQLにはさまざまな機能が備わっており、その中でもPostgreSQLのメンテナンス機能であるVACUUM、データベースの可用性を向上させる機能であるレプリケーションやPostgreSQLの分散データベース化を見据えた分散トランザクション機能を主に開発しています。
これまで全4回にわたりバージョン10の新機能を紹介してきましたが、新バージョンの11が発表されましたので、本コラムではバージョン11の新機能を紹介していきます。
ぜひPostgreSQLを使っていただき、「バグを見つけた」、「これに困っている」、「こんな事ができるといいな」など、ご意見、ご要望がありましたら、ぜひ私または、PostgreSQLコミュニティ(https://www.postgresql.org/account/submitbug/)に伝えてください。ひとつひとつのフィードバックがPostgreSQLをより良いデータベースに成長させます。
PostgreSQL 10新機能
はじめに
最新バージョンであるPostgreSQL 10がリリースされてから約3カ月が経ち、PostgreSQL 10の利用検討も始まってきたのではないでしょうか。PostgreSQL 10では魅力的な新機能が多く導入されていますが、それらの新しい機能を一から調べて、勉強するのは大変です。また、正しい使い方や制約を知らないと、本来の機能を十分に使い切ることができない可能性があります。
本コラムでは、PostgreSQL開発に携わっている一開発者として、PostgreSQLコミュニティでの開発状況なども交えながら、PostgreSQL 10の新機能を紹介します。
- 第1回「テーブル・パーティショニング」(2018.03.02)
- 第2回「Hashインデックス」(2018.05.14)
- 第3回「ロジカルレプリケーション」(2018.07.17)
- 第4回「レプリケーション改善」(2018.08.22)
GNUコラム

オラクル事業部
グローバル・アライアンス&サポート・サービス担当
製品サポートグループ
田中 紀洋
はじめに
2017/1/4に正規表現によるマッチング速度が大きく向上したGNU sed 4.3がリリースされました。
従来のリリースには、正規表現によるマッチング・エンジンとしてregexのみ搭載されていました。regexはPOSIXで規定される全ての正規表現をサポートすることを目標に設計されています。その結果、コードが複雑であり性能面ではあまり優れていません。そこで、私はGNU sedと同様に正規表現によるマッチングを行うGNU grepのマッチング・エンジンの1つをGNU sedでも使えるようにしようと考えパッチを投稿しました。その成果が「正規表現によるマッチング速度が大きく向上」です。
GNU grepは、regex以外に2つのマッチング・エンジンを搭載しています。そのうちの1つであるdfaは、特殊な正規表現をサポートしませんが、性能面ではregexと比較してとても優れています。dfaは古くからGNU grepに搭載されていますが、ここ数年の間に私とPaul Eggert氏が中心となり、機能面、性能面および品質面で多くの改善を施してきたマッチング・エンジンです。私は次のステップとして改善されたdfaの横展開を検討しました。正規表現によるマッチングを多用するプログラムにはGNU grep以外にGNU awkとGNU sedがありますが、GNU awkはすでにdfaを使用していたため、私はGNU sedへdfaのソースコードをコピーし、regexと協調して動作するようにしました。
このコラムでは、GNUの開発に関わるようになったきっかけや苦労話などをご紹介したいと思います。このコラムをお読みくださった皆さまがOSSの開発や貢献に少しでも興味を抱いていただければ幸いです。
今から始めるRHEL 7

保理江 高志

鈴木 章太
はじめに
Red Hat Enterprise Linux(RHEL)の最新版であるVersion 7が2014年6月10日(米国時間)にリリースされました。3年8カ月ぶりのメジャーバージョンアップとなります。それに続き、2015年3月5日(米国時間)にはマイナーバージョンアップであるVersion 7.1がリリースされています。
RHEL 7では、XFSがデフォルトのファイルシステムとなり、システム起動処理がsystemdに変更され、コンテナ管理ツールのDockerが正式にサポートされるなど、新機能が意欲的に盛り込まれています。米Red Hat社も、プレスリリースにおいて「エンタープライズOSを再定義したもの」("Redefining the Enterprise Operating System")とうたい、非常に重要なリリースであると位置づけています。
このように大幅な変更が含まれており、当然、利便性の向上は図られているのですが、開発・運用の現場でRHELを利用されている方にとっては、移行を検討する際の懸念を持たれている方が多いのではないかと思います。
本コラムの執筆者両名は普段、品川のNTT OSSセンタで、NTTグループ各社のOSSシステムのサポート業務に携わっていますが、このところの各社からの問い合わせについても、RHEL 7に関するものが徐々に見られるようになってきました。今後、旧バージョンからRHEL 7への移行が本格化してくるのではないかと思われます。
本コラムでは、RHEL 7の概要から開始して、以降各新機能の解説、メリットや利用時の注意点を各回で紹介していきます。現場の業務に役立つ情報を心がけたいと思いますので、ぜひお付き合いください。
安らかな夜を迎えるために

ソリューション事業部
ビッグデータ基盤ビジネスユニット OSS基盤グループ
グループ長
原田 季栄

株式会社NTTデータ ニューソン
基盤サービス事業部 基盤ソフトウェアBU
主任
半田 哲夫
はじめに
TOMOYO Linux メインライン化から5年、私たち(原田、半田)は現在、品川にある NTT OSS センタで NTT 関連会社の OSS を用いたシステムのサポート業務に携わっています。サポート業務とは、具体的には、商用システムのトラブル対応、技術的な質問への回答などで、依頼者が抱える問題解決を支援するという仕事です。業務の性質上、どんな依頼がどのくらいくるかは、事前に予想できません。日々、たんたんと依頼を受けて、問題解決に向かう助言を行うことの繰り返しです。サポートは受動的な業務で、サポートセンターは、「治療」という行為こそ行いませんが、病院に通じるものがあります。
そうした受動的な業務を2年間以上続けていると、「これは前にも聞かれたぞ」とか、「事前に準備をしておけば避けられたのに」と思うこともしばしばです。サポートセンターの「中の人」として得られた知見や経験を、まだ問題を起こしていない人達にも活かしてもらいたいという気持ちが高まってきました。関係者の協力を得て、ここにささやかな情報発信活動を始めさせていただくことになった次第です。
トラブルが発生するとシステムの関係者は大変です。顧客への説明、原因の解明や対策の検討など対応に追われる姿を何度も見てきました。コラムのタイトル、「安らかな夜を迎えるために」とは、未然に防げる問題は未然に防ぎ、発生してしまった問題は速やかに解決に導けるように力になりたい、そうして安らかな夜を過ごして欲しいという願いを込めてつけました。
本コラムは、サポートに関する技術的な情報(担当:半田)とサポートセンター利用の心得(担当:原田)の組み合わせとして構成されます。どうぞおつきあいください。
(原田季栄)
- 第1回「 kdump ノススメ」(2014.8.5)
- 第2回「 シリアルコンソールノススメ」(2014.8.19)
- 第3回「 netconsole ノススメ」(2014.9.2)
- 第4回「 udplogger ノススメ」(2014.9.16)
- 第5回「 SysRq ノススメ」(2014.9.30)
- 緊急コラム: bash 脆弱性( CVE-2014-6271 )の影響範囲の調査方法について(2014.9.30)
- 第6回「 Bugzilla ノススメ」(2014.10.14)
- 第7回「 sosreport ノススメ」(2014.10.28)
- 第8回「カーネルパラメーターチューニングノススメ」(2014.11.11)
- 第9回「アップデートノススメ」(2014.11.25)
- 第10回「ソースコード閲覧ノススメ」(2014.12.9)
- 第11回「 strace ノススメ」(2014.12.24)
- 第12回「 System Call Auditing ノススメ」(2015.01.06)
- 第13回「 TaskTracker ノススメ」(2015.01.20)
- 第14回「 SystemTap ノススメ」(2015.02.02)
- 緊急コラム: glibc 脆弱性( CVE-2015-0235 )の影響範囲の調査方法について(2015.02.03)
- 第15回「フォールトインジェクションノススメ」(2015.02.17)
- 第16回「 kernel-debug ノススメ」(2015.03.03)
- 第17回「プログラミング体験ノススメ」(2015.03.17)
- 最終回「防災訓練ノススメ」(2015.03.31)