interview 05

営業

「調整役」を
全うできてこそ、
人も案件も動き出す。

「関係者一人ひとりの納得を引き出し、協力体制を築く」という、現在のセールスとしてのスタンスは、知識も経験もない若手時代のもがきがベースになっているのかもしれない。一目会って分かる彼女の懐の深さは、自分で考え行動してきた経験から来るものなのだろう。新卒で入社して11年目を迎えるセールスマネジャー、N.R.のケースです。

PROFILE

2015年入社
営業

N.R.

専門スキルを身につけたいと考えた、就職活動

両親共に職業がSEで、自宅に専門書が並ぶような環境で育ちました。私自身は文系出身ですが、IT分野へ関心を抱くようになったのは、自然なことでした。就職活動を通じて、将来にわたって活かせる専門スキルを身につけられたらと、IT業界を志望したのです。その中でも当社に決めたきっかけは、当時知人が働いていて職場環境を聞く機会があり、自分に合うのではないかと思ったからです。エンジニアの勉強をしてきたわけでもない自分にとって、簡単な環境ではないと思って入社しましたが、想像以上に色々なことがありました。そんな私も今年で、新卒入社から11年目。全社のセールスを担当し、プレイングマネジャーとして、自分で案件も担当しつつ、6名のメンバーのサポートもする立場です。

知識も経験もない自分が、価値を出すために徹底したこと

当社のセールス職は、NTTデータグループからの依頼案件と自社開拓案件という2種類があることが特徴で、いずれも多くの関係者とともに仕事をしていくことになります。私はどちらの経験もありますが、セールス3年目の若手時代に、NTTデータとの共同案件で当社史上最大規模(当時)の入札案件を担当し受注した経験は、今も忘れることがありません。提示されている要件を精査し構成を検討した上で、基盤領域のプレゼン資料を準備する必要がありましたが、そのためには、自部門の開発担当者との連携だけでなく、他部門の営業・開発・サポート部門など、多くの関係者の協力が必要でした。
知識も経験も足りない自分が、どうしたら多くの人たちの協力を得られるのかを考え抜いた末にたどり着いたのが、他の人が言い出しにくいことや、面倒で後回しにされがちなことこそ、自分から率先して引き受けるという姿勢でした。
例えば、社内でトラブルが起きた時は、セールスの私が案件オーナーとして責任を持ち、改善策の検討や体制の再構築などの提案を行ってきました。社外であれば、メーカーやベンダーに対して難易度の高い交渉や調整を、積極的に担ってきたのです。そうした役割を何度も引き受ける内に、「あなたなら協力するよ」とサポートしてくれる人が増えていきました。

セールスという仕事

社内外問わず関わる人が多いからこそ、一人ひとりの思惑や狙いを汲み取り、すべての人が納得できる、いいバランスを探り「調整」することが、セールスという仕事の難しさであり、醍醐味だと思います。
それはつまり「プリセールスやエンジニア、サポートなど異なる部門を巻き込み、全社的に協力しあい、役割や強みを活かして、最適な提案を導くこと。顧客だけではなくステークホルダー全員がWin-Winとなる合意形成をリードすること」だと考えます。具体的には、案件情報と当社Valueを明確にするためのフレームを活用し、案件を対応する意義を極めてロジカルに共有することと、受注プロセスとAction Planを関係者に熱意をもって伝えること、等を意識的に対応しています。結果論ではありますが、若手時代に「他の人が言い出しにくいことや、面倒で後回しにされがちなこと」を自分から率先して担ってきたことで、社内で多くの協力者を得ることにつながりました。今では困ったことがあれば、多くの人がすぐに助け舟を出してくれます。感謝の気持ちは、言葉だけでなく、頼られた時に思い切りお返ししているつもりです。そうやって信頼関係を構築してきました。

「信頼」で、仕事は一気に充実する

経験が長くなってきたこともあり、自分自身の強みや仕事のスタンスについて、聞かれることも増えてきました。自分のことを客観的に捉えると、「問題解決」「人間関係構築」「顧客理解」などのキーワードが思い浮かびます。これらは元々持っている私自身の気質でもあるのですが、仕事を通じてさらに鍛えられた実感があります。
例えば、トラブルが起きたとして、場当たり的な対処をするのではなく、相手は何を大事にしているのか、何に対してストレスを感じているのかを、落ち着いて広く深い視野で捉えます。そうすると、別のところに問題があったりもするのです。後はやはり、気持ちの良いコミュニケーションも欠かせません。社内外関係なく、一緒に仕事をするのであれば、信頼し合えることで、一気に生産性が上がり、充実感も格段に変わりますから。

マネージャーになって思う、これからのこと

プレイングマネジャーになった今も、セールスとしての自分のスタンスは変わっていません。メンバーが増えた分だけ、クレームやトラブルも増えますが、最優先事項として、私もメンバーと一緒に対応します。謝罪とその解決法の提示をできるだけ早く行うことが、重要だと知っているからです。実際、トラブル対応のスピードは強みだと思います。というのも、どの部署の誰に協力を依頼すれば最短で解決につながるかが、これまでの経験から分かっているのです。一体どれだけ失敗してきたの?と思われるほどの、経験があります(笑)。
現在のチームメンバー6名は、まずは自分でじっくり考えたいというタイプや、すぐ誰かに共有したいタイプなど、皆個性豊かです。マネージャーとしては、そうした一人ひとりの良さを最大限に引き出していくことが、これからの自分の役割だと感じています。

Pride in Specialty
~信頼を築く誇り~

成果を生むのは、
戦略より共感。
だから一人ひとりの納得を
大切にする。

セールスと聞くと、いかに顧客を攻略するかだと考える人も多いかもしれない。セールスである以上、案件を獲得しなければ仕事は始まらないことは事実だろう。N.R.は、それはそうだとした上で「やはり忘れてはいけないのは、社内・社外の協力者をどう作ることができるかです」と語った。それは、多い時には数十を超える関係者全員一人ひとりの納得を引き出し、協力体制を作ってきた、人間味溢れるプロフェッショナルの言葉だった。

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