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第2回 プライベートクラウドを構築してみる~その1~




シダ部長

シダ部長
若い頃は色々な大規模開発プロジェクトで開発者として辣腕を振るい、その後は経験を活かし炎上プロジェクトの火消し人や、先進的技術の R&D などに携わり「受け攻めのシダ」の異名をもつ。

ハブカくん

ハブカくん
シダ部長の指揮する部署に配属されたばかりで、シダ部長のもとで流行りの「クラウド」について七転八倒を繰り広げる。

竹本トミー

竹本トミー
未来の世界のハコ型ロボット

プライベートクラウド

ハブカくん
うわぁーん、シダ部長ぉー、僕もプライベートクラウド欲しいよぉ
シダ部長
……。
竹本トミー
ハブカくん…君は何でそうベタな登場をするんだ?パクりじゃなくて、もうちょっとオリジナリティのある登場のしかたってものがあるだろうに…
ハブカくん
(トミーにだけは「オリジナリティ」とか言われたくない…)
シダ部長
やぶから棒に何を言いだすかと思いきや、一体何があってそう思ったのかちゃんと話してくれないと困るよ…
ハブカくん
だって、だって、骨川商事に勤める友人が…社内でプライベートクラウドが…すごいの構築して、えっと、それがすごく社内で評判があげぽよで、上司からも高評価をゲットしたって自慢するんだよぉーうわぁぁぁんん
シダ部長
(日本語で頼む…)
シダ部長
えーと、つまり君の友達がその骨川商事の社内にプライベートクラウドを構築して、それが上司に評価されたという話かね?
ハブカくん
だからそう言ってるじゃないですか!
シダ部長
(落ちつけオレ。頑張るんだ)
シダ部長
あー、オホン。そう思うなら君もちゃんと調査して技術を習得し、我が社のプライベートクラウドを構築するべく提案でも提出したらいいじゃないか。
ハブカくん
えぇー!?なんか面倒くさい…今すぐ構築したい。
シダ部長
いや、あのね、きっとその骨川商事に勤める君の友人だって、一人で勝手にプライベートクラウドを構築したわけじゃなく、提案やら設計やらを職場の人達と協力しながら進めていき、構築や運用をしながら使い方の説明や啓蒙活動を行なって、そうやって努力した結果として評価されたのだと想像するんだけど、君が得たいのはそうゆうことなんじゃないかい?
ハブカくん
やだやだ、今すぐ構築したい、今すぐ評価されたい、今すぐ骨川商事のスネ田をぎゃふん!と言わせたい。
シダ部長
……。
竹本トミー
(「ぎゃふん!」って…)
シダ部長
わかった…口で説明してもわからないなら、実際にやってみていかに自分が無茶なことを言っているか自覚してもらおうか。
ハブカくん
さすが部長!やったね!そうこなくっちゃ!

サーバールームにて~

シダ部長
ではまず最初に、環境を構築するまえにOSのインストールを済ませておいてくれたまえ。今回はUbuntu 14.04.3 を使用しよう。
ハブカくん
えー!?このクラウド時代にOSのインストールを手動でやるんですか!?
シダ部長
いやいや、そのOS環境を提供してくれるクラウドがあったらそもそもこんな話してないだろう?いいからつべこべ言わずにOSをこのPCに入れたまえ。
ハブカくん
なんかもっと他にエレガントな方法ないんですか?例えばDVDとかから起動するとすぐにクラウド環境が試せる「お試しLiveDVD」みたいな、エレガントでスマートなものとか…
竹本トミー
(Wakame-vdcっていうクラウド基盤ソフトウェアを簡単に試せるLiveDVD(※1)があるけど、ハブカくんのためにならないから黙っておこう…)
シダ部長
OSのインストールなんて簡単だから、さっさと済ませてくれないか?話が先に進まないよ。
ハブカくん
はぁーい、わかりましたぁー。

10分後

ハブカくん
シダ部長、インストール終わりました。次は何をやればいいですか?
シダ部長
では、今回はこの1台のPCにOpenStackというクラウド基盤ソフトウェアをオールインワン構成で入れてみようじゃないか。
ハブカくん
えー?クラウドなのに1台?ショボ…
シダ部長
んー、君は冒頭で「今すぐ構築したい」って言ってたよね?ここで複数台構成で構築とかやろうものなら、いつまで経っても環境が完成しないよ?いいの?
ハブカくん
…わかりました、ひとつで充分ですよ…
シダ部長
結構。ではこのOpenStackの開発コミュニティが公開しているopenstack-ansibleというプロジェクトがあってだね、このプロジェクトの成果物を利用することで、ansibleというデプロイメントツールで簡単に環境を構築することができるから、以下の手順書を参考に実施してみてくれないか?
ハブカくん
まかしてくださいよ。

手順

gitコマンドを使用するためにgitパッケージをインストール

$ sudo apt-get install git

gitコマンドで openstack-ansible を入手

$ sudo git clone -b liberty https://github.com/openstack/openstack-ansible /opt/openstack-ansible
$ cd /opt/openstack-ansible

openstack-ansible の実行環境を整えるためのスクリプトを実行

$ sudo ./scripts/bootstrap-aio.sh
$ sudo ./scripts/bootstrap-ansible.sh

ansible playbook の実施

$ sudo ./scripts/run-playbooks.sh
ハブカくん
えーと、まずは apt-get コマンドで最低限必要なパッケージをインストールして…
ハブカくん
次に git コマンドで openstack-ansible をダウンロードし…
ハブカくん
ダウンロードしたパスに移動して ansible を実行するために必要な環境を作る bootstrap スクリプト類を実行し…
ハブカくん
最後に構築を実行…

約2時間後

ハブカくん
zzzZZ…あ、終わってる。シダ部長!終わりましたよ!次はどうすればいいですか?
シダ部長
では次は、インターネットブラウザでこのPCのこのURLにアクセスしてみてくれ。
ハブカくん
ぽちぽちぽちっと。おぉ!なんかWebUIの画面が表示されました!
シダ部長
ではopenstack-ansibleを実行した環境の/root/openrcファイルに認証情報が記述されているから、それを参考にこのWebUIにログインしてみてくれたまえ。
ハブカくん
はーい。ぽちぽちぽちっと。わーい、やったー、なんかソレっぽい画面が表示されましたー。
シダ部長
あとは以下のドキュメントを参考にしながら操作してみるといいよ。
http://docs.openstack.org/user-guide/dashboard.html
ハブカくん
わかりました!早速クラウド王になってみせます!
竹本トミー
(何だよ「クラウド王」って…)

数時間後

シダ部長
ということで、数年前は構築すら大変だったIaaS環境の構築もいまや色々な方法で簡単になってきていることがわかったかな?
ハブカくん
はい!でもこれじゃぁ構築に時間がかかってしまい、待っている間に眠くなってしまうんですが…。
竹本トミー
(いや寝るなよ!他の作業やればいいんじゃ…)
シダ部長
そうか、眠いか。眠くなるってことは十分慣れたっていうことだから、きっとハブカくんにとっては朝飯前な作業になったわけだね?
ハブカくん
ぇえ~?朝飯前にIaaS構築とか訳わかんないんですけどぉー。まぁでもこれなら寝ながらでも構築できそうですね(笑)
竹本トミー
(いや、寝てたら構築できないって…)
シダ部長
では、12月1日から12月25日までやっているAdventCalendarという技術系イベントがあるんだが、腕試しに1つ、このConoHa AdventCalendar 2015にエントリしてきてくれないか?
ハブカくん
えー!?それって業務時間中にやっていいんですか?
シダ部長
君は業務時間に朝飯食うのかい?
ハブカくん
そんな屁理屈…。おまけにこのConoHaって何ですの?
シダ部長
これはGMOインターネットという会社が提供しているパブリッククラウドだよ。
ハブカくん
え?パブリッククラウドにプライベートクラウドを構築するんですか?何で?そのままパブリッククラウドとして使えばいいじゃないですか?
シダ部長
本来この連載の第2回目はパブリッククラウドとプライベートクラウドの連携について話しをする予定だったところを君のワガママにつきあったせいで予定が狂ったんだよ。だから無理矢理こーやってでもパブリッククラウドと絡めておかないと…(また部長会議で他の部長達から笑われるんだよ!ったく…)
ハブカくん
絡めておかないと…?
シダ部長
まぁ、何だ、プライベートクラウドだけしか扱わないと不公平かなぁ?なんてね。
ハブカくん
(変なシダ部長…仕事で疲れてるのかなぁ…?)
竹本トミー
ぽちぽちぽちっとな!シダ部長!ハブカくんの名前でエントリ完了しました。
ハブカくん
は?はぁぁ?なに勝手に人のアカウントで登録してるんだよ?っていうかどうやって僕のアカウントで操作したのさ?
竹本トミー
ふふふ、未来の世界のハコ型ロボットにとってはこんなの朝飯前だよ?
ハブカくん
朝飯前っていうか、その前にコンプライアンス的にダメだろ…
シダ部長
まー、もうエントリしちゃったようだし、話の展開的にも面白そうだから腕試しだと思って書いてみてよ。
ハブカくん
僕ドキュメントとか文章とか書くのとても苦手…というかほとんど書いたことないんですが…
シダ部長
だからだよ。これを機に文章を書く機会を増やして少しずつ文章力を培ってみなさい。何事もやらないと上達しないんだよ?
ハブカくん
はぁ…、わかりました…。
シダ部長
あ、ちなみに自分のブログに書くかどこかのブログサイトに投稿するんだよ。
ハブカくん
え?会社のコラムとかに掲載してくれるんじゃないんですか!?
シダ部長
なに言ってるの!このコラムに掲載するためには色んな人の稼働が発生するんだよ?師走の忙しいときに君の記事なんか掲載する余裕ないよ!
ハブカくん
ぎゃふん!
シダ部長
あとね、冒頭で私は「実際にやってみていかに自分が無茶なことを言っているか自覚してもらおうか」って言ったよね?まだこれ達成してないんだよね。だから次回はプライベートクラウド環境を支えるための運監システムとかを構築してもらうからね。
ハブカくん
ぎゃふん!ぎゃふん!
竹本トミー
(結局自分が「ぎゃふん!」って言わされてる…)