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Windows 10 コラム 第1回 「Windows as a Serviceと、新しいWindows Updateについて」


イントロ

2015年7月29日にWindows 10がリリースされました。
この話、ワクワクしますか?ドキドキしますか? - 私はワタワタしています。

Windows 10っていつ押し寄せてくるの??

さて、いまだクライアントOSとしてシェアの過半数を占めているWindows 7のサポートが2020年1月に終了します。(あと5年もありません!)いままでの傾向を見ると、実際に企業がWindows 7のサポート終了に備えてOS移行に踏み出すのはサポート終了2年前ぐらいでしょうか。。
、、、ふぅ、ならまだ先のことか、と安心してよいか - おそらくそんなことはないでしょう。

今でしょ!!

無償アップグレードという思い切った行動からも、MicrosoftがWindows 10にかける強い想いがうかがえます。

今後続々と登場する予定の新機能も非常に魅力的ですし、Microsoftの情熱的な取り組みからWindows 10に関心を抱く人は少なくないと思います。そういった状況を踏まえるとWindows 10に関する検討は早々に開始される可能性が高いと考えられるため、われわれエンジニアは来るその日に備えて今からWindows 10の性質を理解しておく必要があるのではないでしょうか。

しかし、まだまだ噂ばかりが先行し情報が錯綜しているなか、公式な確定事項がなかなか見えてこない謎多きWindows 10。本編では現時点でのWindows 10に関する情報を整理しつつ気になるところを触ってみようと思いますので、お付き合いいただければ幸いです。

Windows as a Serviceと、新しいWindows Updateについて

第1回はWindows as a ServiceとWindows Updateについて取り上げます。

自分自身、資料などを読んでいてもいまいち感覚がつかめず、たくさんの疑問を抱いていますが、このトピックはWindows 10を理解する上で非常に重要な部分であると感じたため、現時点での情報を整理できればと思います。

Windows as a Service

「よりスピード感のある進化・改革」

まず、Windows 10が従来のクライアントOSと大きく異なる点は、OSを”製品”として販売するのではなく、”サービス”として提供するという概念「Windows as a Service (WaaS)」にシフトされているところにあります。従来は約3年間隔のOSリリースごとに機能改善や新機能が追加されてきましたが、Windows 10からは、OSリリース時に含まれていなかった新機能なども随時サービスとして更新されていき、OS自体が進化し続けるスタイルになるそうです。

「常に最新のテクノロジーを提供」

市場のフィードバックをリアルタイムに反映し機能改善に取り組む、イメージとしてはアジャイル開発と考えるとわかりやすいでしょうか。

Windows Update

そのWaaSにシフトされることでユーザーにとって特に影響があるのがWindows Updateです。先に述べたように、Windows 10からは数か月ごとに新機能などが提供されるようになりますが、その新機能はWindows Updateを通して配信されるようになります。ということは、ある日のWindows Updateで知らないうちに突然新機能が増えたり、機能が拡張されたりするかもしれないのです。

コンシューマー向けの話であれば、常に最新の機能が使えることは魅力的かもしれませんが、企業向けの話となると、業務アプリケーションの互換性なども考慮しなければならないため勝手に機能が更新されてしまうことは致命的な問題になりかねません。

そういった問題への対策として、利用者に合わせて機能更新のタイミングを分けた3つの「サービシングモデル」が用意されました。

WaaS Servicing Model

≪Windows 10のサービシングモデル≫

Current Branch(CB) Current Branch for Business(CBB) Long Term Servicing Branch(LTSB)
  • コンシューマー向け
  • 常に最新の機能を提供
  • ビジネスユーザー向け
  • 常に最新の機能を提供
  • 企業向けのアップデートコントロール
  • 基幹システム向け
  • 機能アップデートはなし
  • セキュリティ更新とバグフィックスのみ提供
  • 最長10年間同じイメージを利用可能
  • ソフトウェアアシュアランス特典

《引用元》セッション資料:次世代OS、Windows 10概要(50ページ目)(http://download.microsoft.com/download/3/8/4/38431978-9F53-401B-AFF8-BD3195243225/WIN-001.pdf

Current Branch(CB)

概要 主にコンシューマー向けで、常に最新の機能が提供されるモデル。
業務アプリケーションの互換性などを確認するための検証用システムなどにもこのモデルが推奨されている。
新機能適用時期 新機能リリース直後~4か月以内

Current Branch for Business(CBB) 

概要 主にビジネスユーザー向けで、CBの後に新機能が提供されるモデル。
新機能が市場で安定して動作することが確認されてからの提供となる。
Windows Update for Business(WUfB)という仕組みを用いて、新機能の適用タイミングを制御することができる。Internal Ringという仕組みがあり、組織内の一部で適用し、動作確認など検証を行ってから段階的に組織全体に対する新機能の配信を行うことができる。
現時点でWUfBは未提供とのこと。
新機能適用時期 新機能リリース4か月後~8か月以内

Long Term Service Branch(LTSB)

概要 主にミッションクリティカルシステム向けで、新機能の提供はされず、セキュリティ更新プログラムや修正プログラムのみが提供されるモデル。
従来のクライアントOSの運用イメージに一番近いモデルである。
「Windows 10 Enterprise」とは別に、「Windows 10 Enterprise LTSB」エディションとして別途メディアが提供されており、それぞれプロダクトキーが異なる点に注意。
従来のクライアントOS同様、メインストリーム5年+延長ストリーム5年、計10年のライフサイクルサポートの形で提供される。
新機能適用時期 なし(2~3年に一度新バージョンのLTSBがリリースされる予定)
  新機能配信方法 対応エディション
WU WUfB WSUS Home Pro Enterprise Education Enterprise
LTSB
CB ○* ○*
CBB
LTSB

*Homeエディションは除く

  • WU:Windows Update
  • WUfB:Windows Update for Business
  • WSUS:Windows Server Update Service

各モデルでできること、できないことがまだ明確でないところもあり、理解しづらい部分もあるのですが、サービシングモデルについてまずはシンプルに「機能更新のタイミング」であると考えてください。

CB・CBB

例としてCB・CBBに対する新機能リリースの流れを考えてみたいと思います。
まず、新機能がリリースされると、Windows Updateを通してCBへの提供が開始されます。(CB提供開始日より4か月間の猶予期間が設けられるのでその間にアップデートを適用する)

その4か月の期間に市場のフィードバックを受けながらMicrosoftの開発チームによって更なる機能改善が行われます。

そして新機能リリース日より4か月後、CBBへの提供が開始されます。(CBB提供開始日より8か月間の猶予期間が設けられるので企業のIT部門などはその間に検証を行い、随時アップデートを適用する)

新機能のリリースごとにこのサイクルを繰り返します。

LTSB

LTSBに関しては、2~3年に一度新バージョンがリリースされる予定で、Windows Updateによる新機能の追加は行われません。
2015年8月現在では「Windows 10 Enterprise 2015 LTSB」がリリースされています。

《引用元》セッション資料:Windows 10 “Windows as a Service”(28ページ目)(http://download.microsoft.com/download/3/8/4/38431978-9F53-401B-AFF8-BD3195243225/WIN-002.pdf

また、新機能として何が追加されるか、ということに関してはサービシングモデルではなく、クライアントOSのエディションに依存します。例えば、スタートメニューの改善であればすべてのエディションに対して適用されますが、Enterprise Data Protectionの改善であればProとEnterpriseに対してのみ適用されます。

最後に、Windows 10のWindows Updateに関するポイントを以下にまとめてみます。

ポイント ● Windows Update経由で新機能の配信・機能の更新がされる。 ● サービシングモデルによって機能更新のタイミングが異なる。 ● セキュリティ更新プログラム・修正プログラムについては、サービシングモデルにかかわらず
  最新のものが提供される。
● Homeを除いたエディションでは従来通りWSUSやグループポリシーでの制御が可能である。 ● LTSBに関してはWindows 10 Enterprise LTSBとして別途メディアが提供されている。 ● ProとEnterprise向けに新しくWindows Update for Businessが導入される予定。

次回はWindows 10 Enterprise VS Windows 10 Enterprise LTSBをテーマにしたいと思います!

追記

Microsoftの情報によると2015年8月現在では、CBBまたその詳細に関する公開資料がリリースされていないようです。CBBはCBから遅れて4か月でリリースされるとのことなので、その理解が正しければCBBはCBリリースから4か月後の今年11~12月にリリースされると予測されます。

そのため現時点ではまだ確実な情報をつかめていないWindows Update for Businessですが詳細を確認次第、当コラムでも取り上げたいと考えています。

(ソリューション事業部 MS基盤ビジネスユニット 池畑 沙姫)