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データベース・パッチセットの種類と特徴について

*以下は、サポート契約締結中のお客様に毎月配信しているサポートレターより一部抜粋して掲載しています。

Oracle Database 製品で提供されるパッチセットには特徴の異なる複数の提供形態が存在しています。ここでは下記の主要なパッチセットの種類について解説すると共に、Oracle のパッチ提供方針の変更についても補足させていただきます。

  • セキュリティ・パッチ・アップデート (SPU)
  • パッチ・セット・アップデート (PSU)
  • バンドル・パッチ (BP)
  • リリース・アップデート / リリース・アップデート・リビジョン (RU/RUR)

セキュリティ・パッチ・アップデート (SPU)

SPU はセキュリティ修正のみを含む累積パッチで四半期に一度リリースされています。
この種類のパッチセットは以前はクリティカル・パッチ・アップデート (CPU) として呼ばれていましたが、SPU と名称が変更されています。また、Oracle Database 12.1.0.1以降のリリースに対しては SPU は廃止されることが決定されており、セキュリティ修正については後述の PSU に含まれて提供されることになっています。このため、今後のセキュリティ修正を目的としたパッチ適用計画には PSU を適用の対象にすることが推奨されます。

リリース時期四半期毎(1月/4月/7月/10月)にリリース
修正内容セキュリティ修正のみを含む
RACローリング適用可能

パッチ・セット・アップデート (PSU)

PSU は四半期毎にリリースする累積パッチセットで、厳選された重要な不具合の修正と、セキュリティ修正を含むものです。セキュリティ修正については SPU を包含する形になり、スーパーセットの位置づけになります。それ以外に含まれる不具合の修正については運用に与える影響が大きくない問題に限定されています。例えばクエリの実行計画に影響を与えてしまうようなオプティマイザに関する修正や、設定や構成の大きな変更が必要とされるような修正は含まれません。適用における影響は比較的少ないため可能であれば最新の PSU を適用していくことを推奨しています。

リリース時期四半期毎(1月/4月/7月/10月)にリリース
修正内容セキュリティ修正、重要な不具合に限定した修正を含む
RACローリング適用可能

Database に適用する DB PSU と共に、関連コンポーネントである Grid Infrastructure とOracle JavaVM に対する PSU も同時期にリリースされています。併せて適用を検討ください。

Grid Infrastructure PSU (GI PSU)

Grid Infrastructure の重要な修正を含むパッチと DB PSU の修正を含みます。GI と DB に対して同時に適用を行うことができます。ローリング適用も可能です。

Oracle JavaVM PSU (OJVM PSU)

OJVM を使用するデータベース環境に適用する PSU ですが、明示的に使用しているかに関わらす、OJVM が存在している環境には適用することが推奨されています。基本的にローリング適用は行えないパッチのため、適用には完全なシステム停止が必要です。

Combo パッチ

Combo パッチは DB PSU、GI PSU、OJVM PSU を一つにまとめたもので、利便性が考慮され一度のダウンロードで資材を用意できるようになっています。含まれる修正や特徴は、それぞれの PSU に準じています。

バンドル・パッチ (BP)

BP は特定の機能や製品に向けてのパッチの集合で、基本的には累積パッチです。ここではWindows データベース・バンドル・パッチ (Windows BP)、データベース・プロアクティブ・バンドル・パッチ (DBBP) について記載します。

Windows BP

Windows 環境では他のプラットフォームと異なり PSU や RU/RUR ではなく、Windows 環境固有のバンドル・パッチとして提供されます。提供される時期は通常四半期ごとに同時期の PSU の修正内容を含んだ形で提供されています。ローリング適用も可能です。

リリース時期四半期毎(1月/4月/7月/10月)にリリース
修正内容セキュリティ修正、重要な不具合に限定した修正を含む
RACローリング適用可能

DBBP

従来、Exadata 等のエンジニアド・システム向けに "Database Patch for Engineered Systems and Database In-Memory" という名称でリリースされていたパッチが DBBP として改名されました。主に Exadata 上の 12.1.0.2 環境向けの修正に PSU が含まれるものですが、Database In-Memory (DBIM) 機能を使用している、Exadata ではない 12.1.0.2 環境にも適用可能です。四半期ごとにリリースされ、ローリング適用も可能です。

リリース時期四半期毎(1月/4月/7月/10月)にリリース
修正内容Exadata / DBIM の機能に関する修正、PSU に含まれる修正
RACローリング適用可能

リリース・アップデート / リリース・アップデート・リビジョン (RU/RUR)

RU、RUR は、Oracle Database 12.2 以降のリリースに向けた PSU に代わるパッチの提供形態です。2017年7月より、四半期ごとの修正の提供は RU という名称に変更され、従来の PSU と同様の累積的なパッチ提供とセキュリティ修正が含まれます。また、直近の 2 つの RU に対しては四半期ごとに RUR という名称で追加修正、およびセキュリティ修正が含まれた形態で提供されます。RUR の最初のリリースは 2017年10月 に提供される予定です。
ここには RU JUL 2017 に対する追加修正が含まれることになります。

Oracle Database 12.1 以前では、従来の PSU 方式の提供は維持されます。また、Windows 環境でも RU ではなく従来通り BP が提供されていく方針に変更はありません。

従来の PSU と異なる点として、実行計画に影響を与えるオプティマイザの修正が含まれる点が挙げられます。但し、これらのオプティマイザ関連の修正については適用後も自動的にはアクティブにはならず、デフォルトで無効化された状態になっています。
これにより DBA は影響を把握したうえで有効化を行うかどうかを明示的に選択することできるようになっています。

リリース時期四半期毎(1月/4月/7月/10月)にリリース
修正内容セキュリティ修正、重要な不具合に限定した修正
オプティマイザ関連の修正も含む
RACローリング適用可能

まとめ

いずれのパッチ形態も重要な不具合に対してプロアクティブに対処できることを目的にしていますので、問題の抑止のためにお客様環境の運用に合わせたパッチ適用計画を策定されることをお勧めします。

(オラクル事業部 サポート・サービス担当 河﨑)