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Oracle Database 18c がリリースされました!

*以下は、サポート契約締結中のお客さまに毎月配信しているサポートレターより一部抜粋して掲載しています。

Oracle Database のバージョン変遷

Oracle Database は 1979 年にリリースされた Oracle 2 を起源とする RDBMS 製品です。
1984 年にバージョン 4 にて読み取り一貫性をサポートし、RDBMS 製品としての基本機能を実装して以後、3 年に一度程度のメジャーバージョンアップを重ね、2013 年 6 月に12c がリリースされたのが最後のメジャーバージョンアップとなっておりました。

この間に実装・サポートされた主要な機能を抜粋すると、以下のようになっています。

Oracle 5 (1985年)分散クエリへの対応
Oracle 6 (1988年)行レベルロック、動的バックアップに対応、PL/SQL の実装
Oracle 7 (1992年)参照整合性制約の実装
プリケーション、パラレルクエリに対応
Oracle 8 (1997年)パーティション表、LOB 型カラムのサポート
パラレルサーバ(RAC の原型となるクラスタ機能)の実装
Oracle 8i (1999年)Java / XML 対応、マテリアライズド・ビューの実装
主要管理ツールの GUI 化
Oracle 9i (2001年)RAC / Data Guard の実装、XML DB の搭載
Oracle 10g (2004年)ASM の実装、統合管理機能の Web ベース化(Grid Control)
ADDM による自動診断機能の強化、RBO の廃止
Oracle 11g (2007年)チューニング・バックアップ・リカバリの一部自動化
データ圧縮機能の実装 (Advanced Compression)
Oracle 12c (2013年)マルチテナント対応、インメモリデータベースの実装

一覧を見て頂ければわかりますように、データベース本体の機能という面では 8i で実装されましたマテリアライズド・ビュー機能まででほぼ現在の形となっております。Oracle Database の大きな強みである RAC を実装した 9i からは可用性・性能・管理性の向上をコンセプトとしたバージョンアップとなっており、自然な流れとしてメモリ・ディスク領域管理や、バックアップ・リカバリ、性能診断といった運用業務の一部をデータベース自身が自動的に最適化し、実行できるような機能強化が行われてきました。

今月 Cloud / Engineered System 版が先行してリリースされた Oracle 18c でも前記の流れを引き継いで、機械学習を活用した自動チューニングや自動アクセスブロック・動的なインメモリキャッシング・リソース使用の最適化などの機能が実装されており、更なる性能・管理性の向上が図られていることが強く謳われています。

Oracle Database 18c とリリースサイクル

Oracle 18c は直前バージョンの 12c から大きくバージョン番号が飛んでいます。こちらは2018 年にリリースされたことから取られた名称で、今後はリリース年に応じたバージョン名となる予定であることが Oracle 社から公式に発表されております。

新機能に関するマニュアルをご覧頂ければわかりますように、現時点で判明している 18c の新機能自体は 2017 年 3 月にリリースされた 12cR2 バージョン (12.2.0.1) と比べてそれほど多くありません。

バージョン番号が大きく進んではいますが、旧来のメジャーバージョンアップに相当するものというよりは、12cR2 での最新バージョンである 12.2.0.1 の後継に近いもの、すなわち PSR 12.2.0.2 にいくつかの新機能を含めたもの、と捉えて頂くほうが的確でしょう。

2016 年にリリースされた Windows 10 がメジャーバージョンとしては最後の Windows OSになるという方針が話題となりました。現在は技術トレンドの変遷が高速化しており、数年に一度の大きなバージョンアップでのリリースサイクルではユーザーのニーズを十分にキャッチアップすることが難しいことが背景の一つであるとされていますが、18c 以降のOracle Database のリリースサイクルもこれに近いコンセプトに変更され、年次で最新のニーズに沿った機能を順次追加していく形態となることが予定されております。

また、18c では Oracle Database 製品としては初めて、通常のオンプレミス版に先行してCloud 環境の提供が行われたバージョンとなりました。今後のリリースが同様のリリース形態となるかは明らかにされていませんが、2006 年に開始された AWS を筆頭とする各社クラウドサービスに遅れを取っていた Oracle 社が Cloud サービスへの注力を強めていることを端的に示しているものといえます。

なお、18c のオンプレミス版は現時点では 2018 年 7 月のリリース予定となっております。

Oracle Database 18c を体験するには

前述のように Oracle 18c のオンプレミス版はまだ公開されておらず、Engineered System も気軽に入手できるようなものではないため、現時点でお客様の手元の環境で Oracle 18c を体験頂くのは敷居が高くなっております。

しかしながら、Oracle Database Cloud Service では、管理のために用いられる一部周辺ユーティリティを除き、原則として Cloud 版とオンプレミス版は同一とされておりますので、Oracle Cloud 上で提供されている 18c 環境でも(体験という観点では)十分オンプレミス版の代替になりえます。

既に Oracle Database Cloud Service (DBCS) をお使いのお客様は、新規のインスタンス作成時に "Oracle Database 18c" が選択可能となっておりますので、すぐに 18c をお使いいただくことが可能です。

※ ご使用の際には、下記トライアルの場合を除き、プランに応じた課金が必要となります。

まだ DBCS を使用されていないお客様につきましても、以下のトライアル申込み用サイトから 30 日間無償でご利用頂けますので、この機会にぜひお試しください。

今後のサポートサイクル

Oracle 18c のサポートサイクルについては、以下のようなアナウンスが行われております。

  • サポートレベルは 12g R2 に準じる
  • 4 半期毎にマイナーアップデートとして Release Update が提供される
  • 4 半期毎に各マイナーアップデートに対してセキュリティ修正およびリグレッションの問題を修正した Release Update Revisions が提供される。
    ただし、リビジョンの提供は各マイナーアップデートに対して 2 回(半年後)までとなる
  • 次期の年次リリース (Oracle 19) が提供を開始されて 2 年間は 18c に対しても、Release Update, Release Update Revisions が提供される
  • バージョン番号は <年次バージョン>.<Release Update 番号>.<リビジョン番号> で表記されるようになる(ex. 18c にて Release Update 3 の 2 回目のリビジョンを適用した環境は 18.3.2 となる)
  • 同一の年次バージョン内であれば、パッチ適用によりマイナーアップデートを跨ったバージョン変更(ex. 18.3.1 を 18.4.1 に変更)も可能。ただし、現時点より以前に提供されたマイナーアップデートやリビジョンの時点まで戻すことは不可能

12c までのサポートレベルは PSR レベルを基準に設定されておりましたが、18c 以降は基本的に年次バージョンを基準に設定されることとなります。パッチ体系についても従来の PSU (Patch Set Update), Bundle Patch, CPU (Critical Patch Update) からRelease Update と Release Update Revisions からなる形に変更されますので、アップデート計画を策定される場合にはご留意ください。

また、上記のサポートサイクル下では、最新年次バージョンを採用したとしても、パッチセットレベルの提供は 3 年程度で終了してしまうこととなります。こちらについては、たとえば 11gR2 のターミナルバージョンである 11.2.0.4 のように、ロングタームでのパッチリリースが行われるバージョンを今後用意することも検討されている、との情報がございますので、続報をお待ちください。

まとめ

今月 Cloud / Engineered System 版が先行リリースされた Oracle Database 18c は 12c までの流れを引き継いで、データベース運用の自動化をコンセプトとしたバージョンと位置付けられています。運用の自動化には人間の判断を介さないことによるリスクが伴いますが、運用負荷や TCO の低減には大きな効果をもたらすものです。現在の技術トレンドからみても、データベース運用における自動化率の向上は避けては通れない課題です。

お客様のデータベース運用自動化に関するニーズを満たすかについても観点に加えつつ、今後の Oracle 18c の採用をご検討ください。また、今号では Oracle 18c の技術的な詳細については触れておりませんが、新機能についても今後折を見て紹介させて頂く予定ですので、ご期待ください。

(オラクル事業部 サポート・サービス担当 佐藤)