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Apple QuickTimeの脆弱性により、任意のコードが実行される脆弱性(CVE-2012-0663)に関する検証レポート

2012/07/03
NTTデータ先端技術株式会社
辻 伸弘
泉田 幸宏

【概要】

Windows上で動作するApple QuickTimeに、リモートより任意のコードが実行される脆弱性が発見されました。
本脆弱性は、QuickTimeがTeXMLファイル内の特定の要素を処理する際に、入力データ長を検証していないことにより発生します。TeXMLファイルは、ムービー内に表示させるテキストのスタイルを定義するためのものです。

この脆弱性により、リモートからQuickTimeを実行するローカルユーザと同じ権限で任意のコードを実行される危険性があります。攻撃者は、ブラウザ経由でメディアファイルを読み込ませるように特別に細工されたWebサイトにユーザを誘導することや、細工されたメディアファイルを添付した電子メールを送信し、攻撃対象ユーザにファイルを開かせることでログオンしているユーザと同じ権限を奪取される危険性があります。

この脆弱性については、Apple社より5月15日に脆弱性が修正されたバージョンのQuickTimeがリリースされております。しかしながら、攻撃を成立させるためのコードが容易に入手可能であり、かつ脆弱性に対する攻撃が容易であること、また攻撃を受けた際にシステムへの影響が大きいことから、今回、このQuickTimeの脆弱性(CVE-2012-0663)の再現性について検証を行いました。

Apple QuickTimeの脆弱性により、任意のコードが実行される脆弱性(CVE-2012-0663)に関する検証レポート

【影響を受けるとされているシステム】

  • Apple QuickTime 7.7.2以前

【対策案】

Apple社より、この脆弱性を修正するバージョンがリリースされています。
当該脆弱性が修正されたバージョンにアップデートしていただくことを推奨いたします。

  • Apple QuickTime 7.7.2

【参考サイト】

CVE-2012-0663
http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2012-0663

Apple セキュリティアップデート (Apple Security Update)
http://support.apple.com/kb/HT1222?viewlocale=ja_JP

JVNDB-2012-002428
Windows 上で稼働する Apple QuickTime におけるスタックベースのバッファオーバーフローの脆弱性
http://jvndb.jvn.jp/ja/contents/2012/JVNDB-2012-002428.html

【検証イメージ】

【検証ターゲットシステム】

  • Windows XP SP3
  • QuickTimeバージョン 7.6.1292

【検証概要】

ターゲットシステム上のQuickTimeで、悪意のあるユーザが作成したTeXMLファイルを開かせることで、攻撃コードを実行させます。それによって、ターゲットシステムにおいて任意のコードを実行させます。
ターゲットシステムは、悪意のあるユーザが用意したホストに制御が誘導されます。

今回の検証に用いたコードは、ターゲットシステム上から特定のサーバ、ポートへコネクションを確立させるよう誘導し、システムの制御を奪取するものです。
これにより、リモートからターゲットシステムが操作可能となります。

* 誘導先のシステムは Debian です。

【検証結果】

下図は、攻撃後の誘導先のシステム画面です。

下図の赤線で囲まれている部分の示すように、誘導先のコンピュータ(Debian)のコンソール上にターゲットシステム(Windows XP)のプロンプトが表示されています。
黄線で囲まれている部分の示すように、ターゲットシステムにおいて、コマンドを実行した結果が表示されています。これにより、ターゲットシステムの制御の奪取に成功したと言えます。

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