SharePoint コラム 第3回 「Windows SharePoint Servies 2.0とSharePoint Portal Server 2003:統合により生み出されたもの。」
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シリーズ:Edgeと歩くSharePoint歴史探訪の旅
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…zzz
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ねぇ、Edge君起きて。
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長く時間が空いちゃったから、寝ちゃったみたい。
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前回の探訪から時間は経ったけれど、第1回と第2回で振り返ってみたSharePointのことは、ちゃんと覚えているかな。
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SharePoint Team Serverと、SharePoint Portal Server 2001。両方とも、随分と古い製品なのに、今と同じ機能があってびっくりした。
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それじゃ、今日は、その二つの後継製品について、Edge君と一緒に探訪してみることにしよう。
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Windows SharePoint Servies 2.0とSharePoint Portal Server 2003
第1回目と第2回目で探訪したSharePoint Team ServicesとSharePoint Portal Server 2001のリリースから約2年後、それぞれの後継製品がリリースされました。
本日は、その後継製品であるWindows SharePoint Services 2.0とSharePoint Portal Server 2003を探訪いたしましょう。
Windows SharePoint Services 2.0は、2.0というナンバリングの通り、SharePointの名を引き継ぎ、SharePoint Team Servicesをさらに使いやすくした製品として提供されました。
一方、SharePoint Portal Server 2003は、2001と同様、引き続きエンタープライズを対象とした有償機能として提供されましたが、単独でインストールできた2001と違って、インストールにWindows SharePoint Services 2.0が必要となりました。この2003の製品から、ポータルとしての基本機能は無償版のSharePointに任せ、その基本機能上でエンタープライズ機能を提供する仕組みが始まりました。
なお、SharePoint Portal Server 2003の正式名称は、Microsoft Office SharePoint Portal Server 2003であり、SharePointにおいて、初めてOfficeの単語が名称に組み込まれた製品です。(このコラムでは、一般的に使われているSharePoint Portal Server 2003を使用します)
また、機能的には、このバージョンにおいて、Webパーツ、テンプレート、ファーム構成、構成データベース、ASP .Net Frameworkでの実装、SDKなど、SharePointとして重要な機能や構成が導入されました。これらは、そのまま最新版のSharePointに受け継がれており、現在のSharePointの基礎は、このバージョンで固まったとも言えるでしょう。
また合わせて、インターネット上の情報も格段に増え、この製品から有志の方々による日本語の情報も登場し始めました。
特に、アイティメディア社の@ITに掲載されているSharePointアーキテクチャ入門 (http://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/0404/15/news100.html) は、このバージョンにおけるSharePointの情報が非常に分かりやすくまとまっており、13年前の記事にも関わらず、内容がいまだに陳腐化していないことに驚かされます。
Tips1. Windows SharePoint Services 2.0をインストールするには。
現在、Windows SharePoint Services 2.0をインストールする方法をインターネット上で検索すると、@ITの連載も含め、ほぼすべて、Windows Server 2003に対して、インストーラーをダウンロードして、実行する手順が示されます。
ですが、Microsoft社からは、すでにWindows SharePoint Services 2.0のインストーラーは提供されておらず、この製品を、いま、インストールしたい人は、どうすれば良いのでしょうか?
答えは、Windows Server 2003 R2からWindows SharePoint Servicesがサーバーの役割としてOSに同梱されるようになりましたので、その役割を有効化することで、Windows SharePoint Services 2.0をインストールすることが可能です。
Windows Server 2003 R2のサーバーの役割
![](/-/media/sites/default/files/imported/article/column/sharepoint03_01.png)
サーバーの役割にSharePoint Servicesが抜擢されたのは、このWindows Server 2003 R2のみで、これが最初で最後となりました。
それでは早速、Edge君にWindows SharePoint Services 2.0の標準画面を見ていただきましょう。
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きれいに表示できました!
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そうですね。
それでは、SharePoint Team Serviceのときのトップページを再掲してみましょう。
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ロゴが変わったぐらいにしか見えないね。
バージョンアップにより機能強化されたWindows SharePoint Server2.0ですが、トップページは、SharePoint Team Servicesとほとんど変わらなかったようです。
ただ折角なので、この画面においてWindows SharePoint Server 2.0で導入されたWebパーツの編集画面を開いてみましょうか。
まずは、Internet Explorer 11の画面から。
このように、現在でも見なれたWebパーツのレイアウト画面を表示することができました。
それではEdge君にもWebパーツのレイアウト画面を表示していただきましょう。
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残念ながら、Edge君では、この画面のドラッグアンドドロップの機能が利用できず、通常の画面に飛ばされてしまうようです。
Tips2. 編集モードパラメータ
画面を編集モードで開くためのGETパラメータ(ToolPaneView=2)は、メニュー内に「ページの編集」がない画面においても、編集画面を開くことのできる、便利なパラメーターです。このSharePointのカスタマイズに必須なこのパラメーターは、Windows SahrePoint Services 2.0で導入され、未だにSharePoint Onlineでも利用することが可能です。
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ただ、相変わらず、エクスプローラビューだけは表示できないけど。。
残念なことに、エクスプローラービューは、Internet Explorer 11でも参照することはできませんでした。
これは、Microsoft SharePoint Support Team ブログの以下にある通り、サポートされたブラウザを利用していないのが原因の可能性は高く、諦めざるを得ない可能性が高いです。
- “エクスプローラーで開く” のトラブルシュート
https://blogs.technet.microsoft.com/sharepoint_support/2015/11/15/4921/
それでは続いて、Windows SharePoint Services 2.0はこの辺りにして、次にSharePoint Portal Server 2003のトップページを、Edge君に見てもらいましょう。
こちらもきれいに表示できました!
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コンテンツのメニューだけじゃなくて、管理系のメニューもいっぱい表示されているし、早速、いろいろと触ってみるね。
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Edge君を用いて、いくつかの管理用ページを参照してみた所、いくつかのページでエラーが発生しました。
InternetExplore11を用いてみた所、正常に画面が表示されますので、Edge君を用いた場合のみのエラーのようです。
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それでは、最後に、両製品の管理画面を見てみましょう。
SharePoint Portal Server 2001では、Windows の管理ツールとして提供されていた管理画面ですが、このバージョンでは現在のSharePoint同様、全体管理のWebページとして提供されました。
早速、Edge君に見ていただきましょう。
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左側のメニューがWindows SharePoint ServicesとSharePoint Portal Serverに分かれているのが面白いね。
これは、Windows SharePoint Servicesのメニューだから、SharePoint Portal Serverを押してみるね。
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こちらも、IE11であれば、以下の通りの画面が表示されます。
Tips3. SharePoint Hiveは60から始まった。
SharePointに関する様々なモジュールが格納されてるSharePoint Hiveは、オンプレSharePoint管理者であれば必須の知識ですが、SharePoint Hiveの概念は、このバージョンから導入されました。
この最初のSharePoint Hiveのパスは、
%CommonProgramFiles%\Microsoft Shared\Web Server Extensions\60
というパスでした。
この60という数字は、SharePoint単体のバージョン番号を表しておりますが、これ以降、SharePointはOfficeシリーズに統合され、ここの数字はOfficeのバージョン番号が使われることになります。
参考:
- SharePoint 2007
%CommonProgramFiles%\Microsoft Shared\Web Server Extensions\12
- SharePoint 2010
%CommonProgramFiles%\Microsoft Shared\Web Server Extensions\14
- SharePoint 2013
%CommonProgramFiles%\Microsoft Shared\Web Server Extensions\15
それでは、最後にEdge君に、感想を聞いてみましょうか。
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このWindows SharePoint Service 2.0とSharePoint Portal Server2003は、初期リリースであったSharePoint Team ServiceとSharePoint Portal Server 2001に対する大幅な機能拡充が図られており、その機能は現在のSharePointに脈々と息づいております。
例えば、ユーザー機能であれば、サイトやリストのテンプレートやWebパーツによるレイアウト編集、開発者機能であれば、.NET Frameworkやソリューションの採用、管理者機能であれば、ファーム構成やstsadmコマンド等があげられるでしょう。
単に情報を集約し、ポータルとしての必要最低限を提供していた前リリースから、様々な周辺機能や、また運用に必要な機能を充足させ、本当に企業で使われる製品となった、そんな進化を遂げた製品がこのWindows SharePoint Services 2.0とSharePoint Portal Server 2003だったように思います。
また、タイトルに示した通り、このリリースにて、2つの製品は基本機能を共有し、SharePointとしての一本化への礎となりましたが、トップページや管理画面を見て頂いた通り、利用者側の機能的には別製品のままでした。こちらの統合は、この後のリリースにて実現されることとなります。
今回の探訪を振り返って
前回までは、シンプルだった初期リリースの恩恵を受け、ほぼ画面表示に問題のなかったEdge君ですが、機能が充実し、画面が複雑になるにつれ、参照できないページも増えてきました。
果たして、次の製品では、どのような結果となるのでしょうか。
次回は、Windows SharePoint Servies 3.0とMicrosoft Office SharePoint Server 2007をEdge君とともに訪れます。
次回:”第4回:Windows SharePoint Servies 3.0とMicrosoft Office SharePoint Server 2007:ポータルからプラットフォームへ”
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