phpMyAdminにて任意のコードを実行可能な脆弱性(CVE-2011-2505, CVE-2011-2506)に関する検証レポート
2011/07/29
NTTデータ先端技術株式会社
辻 伸弘
泉田 幸宏
小松 徹也
【概要】
phpMyAdminにセッション変数内のデータを変更可能な脆弱性(CVE-2011-2505)が発見されました。
この脆弱性は、phpMyAdmin上の$_SESSION配列にPHPコードを埋め込むことが可能です。また、phpMyAdminに変数を適切に処理しない脆弱性(CVE-2011-2506)が発見されました。
この脆弱性は、コンフィグ作成生成用スクリプトにおいて変数内データを適切に処理しないため、PHPコードを含むファイルを出力可能です。これらの脆弱性を組み合わせて利用することにより、Webサーバの実行権限で任意のPHPコードを実行可能となります。
今回、このphpMyAdminの脆弱性(CVE-2011-2505, CVE-2011-2506)を利用した攻撃の再現性について検証を行いました。
phpMyAdminにて任意のコードを実行可能な脆弱性(CVE-2011-2505, CVE-2011-2506)に関する検証レポート
【影響を受けるとされているアプリケーション】
影響を受ける可能性が報告されているのは次の通りです。
- phpMyAdmin バージョン3.3.10.2未満
- phpMyAdmin バージョン3.4.3.1未満
【対策案】
脆弱性が修正されたバージョンである3.3.10.2、または3.4.3.1へとアップグレードを実施いただくことを推奨いたします。
【参考サイト】
phpMyAdmin - Security - PMASA-2011-5
phpMyAdmin - Security - PMASA-2011-6
【検証イメージ】
【CVE-2011-2505】
【CVE-2011-2506】
【検証ターゲットシステム】
Debian 6.0.2 上のphpMyAdmin 3.3.10
【検証概要】
ターゲットシステムに、細工したHTTPリクエストを送信し、セッション変数にPHPコードを挿入します(CVE-2011-2505)。
変数処理に不備のあるPHPスクリプトを介して、PHPコードを含むコンフィグファイルを出力し、生成されたスクリプト上で任意のコードを実行します(CVE-2011-2506)。
今回、スクリプトを利用して「/etc/passwd」の表示と任意のコマンドを実行可能なバックドアの設置を検証します。
【検証結果】
下図は、setupスクリプトから作成したコンフィグファイルを利用して、ターゲットシステム上に格納された「/etc/passwd」をブラウザから読みだした結果となります。
赤枠で示すとおり、ターゲットシステム上に存在する「/etc/passwd」の表示に成功したと判断できます。
下図は、作成したコンフィグファイルを利用して、任意のコマンドを実行できるスクリプトを設置し、OSのコマンドを実行した結果となります。
赤枠で示すとおり、ターゲットシステム上に存在する「/etc/passwd」の表示に成功したと判断できます。
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