第6回 WebSphere Application Serverのディスク容量について その1


第1回~第5回からとは少し変わりますが、WAS導入時する際のディスク容量について触れたいと思います。
WASを導入するにあたり、利用する領域の検討が必要となるため、以下について検討を行います。


  • 製品のインストール領域
  • FixPackやパッチ適用で必要となる領域
  • ログ領域
    • WAS(DeploymentManager、NodeAgent、アプリケーションサーバー)のログ
    • IBM HTTP Server(以下IHS)のログ
    • IHS-WebSphereのPlug-inログ(以下プラグインログ)
  • デプロイするアプリケーションの格納領域
  • Coreファイルなどの障害発生時に出力されるファイルの格納領域

今回は、


  • 製品のインストール領域
  • FixPackやパッチ適用で必要となる領域

について確認していきたいと思います。

実際にどの程度必要になるのかの検証のため、Linux環境へインストールをしてみます。
製品のインストール先のディレクトリは以下とします。


  • Installation Manager
    • インストール先:/opt/IBM/InstallationManager/eclipse
  • WebSphere Application Server
    • インストール先:/opt/IBM/WebSphere/AppServer

まずは、Installation Managerと、WAS 8.5.5の NDのインストール直後にインストール先のディスク使用量を確認してみると、以下の容量となりました。

[root@test IBM]# du -sm /opt/IBM/*
1057 /opt/IBM/IMShared
169 /opt/IBM/InstallationManager
1339 /opt/IBM/WebSphere
[root@test IBM]#
[root@test IBM]# du -sm /opt/IBM/WebSphere/*
1339 /opt/IBM/WebSphere/AppServer

続いて、以下についてもインストールしてみます。


  • IBM HTTP Server for WebSphere Application Server
    • インストール先:/opt/IBM/HTTPServer
  • Web Server Plug-ins for IBM WebSphere Application Server
    • インストール先:/opt/IBM/WebSphere/ Plugins
  • WebSphere Custatoolmization ToolBox
    • インストール先:/opt/IBM/WebSphere/ Toolbox

上記の製品を導入後に再度領域を確認してみると、以下の容量となりました。

[root@test IBM]# du -sm /opt/IBM/*
197 /opt/IBM/HTTPServer
1298 /opt/IBM/IMShared
169 /opt/IBM/InstallationManager
1774 /opt/IBM/WebSphere
[root@test IBM]#
[root@test IBM]# du -sm /opt/IBM/WebSphere/*

製品インストール時点で/opt/IBM 配下には3GB以上の領域が必要になることがわかります。

次に、FixPackやパッチ適用でどの程度の容量が必要になるか確認してみます。
今回は8.5.5.5のFixPackを適用することにします。
※ 2015年11月時点でのFixPackは8.5.5.7が最新となります。

8.5.5.5をすべてダウンロードすると6.6GB程度になります。
また、FixPack適用前にファイルを解凍することも考慮し、パッチ適用する際の一時格納領域として10~20GB程度は見こんでおくとよいかと思います。

[root@test fixpack]# du -sm ./*.zip
857 ./8.5.5-WS-WAS-FP0000005-part1.zip
1646 ./8.5.5-WS-WAS-FP0000005-part2.zip
1005 ./8.5.5-WS-WASSupplements-FP0000005-part1.zip
1469 ./8.5.5-WS-WASSupplements-FP0000005-part2.zip
148 ./8.5.5-WS-WCT-FP0000005-part1.zip
1516 ./8.5.5-WS-WCT-FP0000005-part2.zip

※ 他にもIBM Java SDKのFixPackがある場合もあります。

次にFixPack適用後に再度容量を確認してみると、以下の容量となりました。

[root@test fixpack]# du -sm /opt/IBM/*
197 /opt/IBM/HTTPServer
2191 /opt/IBM/IMShared
175 /opt/IBM/InstallationManager
1784 /opt/IBM/WebSphere
[root@test fixpack]#
[root@test fixpack]# du -sm /opt/IBM/WebSphere/*
1346 /opt/IBM/WebSphere/AppServer
246 /opt/IBM/WebSphere/Plugins
193 /opt/IBM/WebSphere/Toolbox
[root@test fixpack]#

主に「/opt/IBM/IMShared」のサイズがFixPack適用前より大きくなっていますが、
全体として4GB を超えるサイズとなっていることがわかります。

第6回では、「製品のインストール領域」、「FixPackやパッチ適用で必要となる領域」について確認しました。
第7回でも引き続き、ディスク容量について記載したいと思います。



第6回 WebSphere Application Serverのディスク容量について その1