Oracle OpenWorld 2017レポート(前編)



川井田 明乃

川井田 明乃

今年も10月1日~5日(現地時間)の5日間にわたり、サンフランシスコのモスコーニセンターでOracle OpenWorld 2017(OOW)が開催されました。
OOWは、サンフランシスコで開催されるOracle社の年次イベントで、Oracle社の最新テクノロジー、業界動向について語られるカンファレンスで、今年で 23 回目を迎えます。
メイン会場であるモスコーニセンターを中心に、メイン会場前の街路ハワードストリートも会場の一部になり、サンフランシスコがまさにオラクル一色の様相になります。
本コラムでは、現地での様子からOracle社が発信した内容まで、いくつかピックアップしてご紹介します。

※ 本文章は当社社員がOracle OpenWorld 2017に参加した感想を記載したものであり、Oracle社の正確な発表内容についてはOracle社より直接公開されている資料をご参照ください。

開催初日:10/1(日) 17:00-19:00 Opening Keynote @Moscone North

例年通り、イベント初日に行われた会長兼CTOのラリー・エリソン氏によるオープニング・キーノート。
30分前には会場入りしたのですが、すでに長蛇の列ができており、かなり後ろの席になってしまいました。
ラリー氏が点にしか見えません……。

やはり、今回の目玉は "Autonomous Database"。
セキュリティパッチ適用の自動スケジューリング・実行により、以下のとおりサイバーセキュリティ対策効果が高まると強調していました。

  • 自動的に次回の計画停止を予測し、それに合わせてセキュリティパッチを適用する
  • 計画内+計画外のシステム停止を合わせて、停止時間は年間で30分未満(99.995%の信頼性)であることを保証する
  • AWSでは自動的にCPUを増やすことができず、増やす場合にはシステム停止を伴うのに対して、Oracle Database 18cでは、CPUやストレージが必要な分だけ自動的に追加され、不要になったら解放される
  • Real Application Clusters(RAC)によるローリングでのパッチ適用を行える
  • Web UI画面から、ボタン1つでRAC+Data Guardを実装可能である
  • Oracle Exadata Database Machine (Exadata), Oracle Cloudでも自動化Databaseを利用できる

また、Oracle on Oracle(Exadata)と Oracle on AWS、Redshift on AWS の比較デモも併せて紹介されました。

開催初日:10/1(日) 19:00-21:00 OPN After Dark @Metreon City View Lounge

眺めのよさそうな名前の会場で、パートナーが一同に会しての立食パーティです。
お酒を片手に、サンフランシスコの夜を満喫するのでした。

開催2日目:10/2(月) 9:00-10:15 Monday Keynote @Moscone North

CEOのマーク・ハード氏によるキーノート。
前日のオープニング・キーノートで後方の席になってしまった反省を踏まえて、8時10分頃には会場入り。
さすがに早すぎたのか、まだ会場はガラガラで、前のほうの良い席を確保できました。

マーク・ハード氏のキーノートは、世界経済についてのお話から始まります。
GDPの伸びは中国が4割を占めており、中国企業を除くと、成長は微々たるものである。
また、GDPの5%がIT予算といわれているが、その額は5年間ほとんど変わっていないのが現状である。
コストカットしながら売上を伸ばすことが求められるため、厳しい状況であるが、このような状況下でもOracleは年7%成長している。

ビジネスライクな話が続くなか、セキュリティのキーワードから、Oracle Autonomous Databaseについても触れていました。
世界の銀行の幹部と会話をしたが、半数はパッチの問題で苦労している。
通常、パッチ適用には4~5カ月を要するが、Oracle Autonomous Databaseであれば、Cloud上で自動的にパッチ適用を行える。

また、2025年までの予測として、以下をあげていました。
2025年までに、80%のデータセンターがなくなる。(こちらは調査会社IDC社と同じ予測とのこと)
開発・検証環境は100%、本番環境も80%がCloudへ移行し、2025年に近づくほど、急激に伸びていく。

開催2日目:10/2(月) 12:15-13:00 General Session @Marriott Marquis

アンディ・メンデルソン氏のゼネラル・セッション。
アンディ氏は「オラクルのデータベース製品の開発、製品管理における責任者」です。
出典:http://www.oracle.co.jp/press/exebio_us/AndyMendelsohn.html

内容としては、ラリー・エリソン氏のキーノートを少しドリルダウンしたものでした。
Oracle Autonomous Databaseのビジョンは、自動化によるSelf-Driving、 Self-Securing、Self-Repairingによって、人的な労働力をなくすことで、コストの削減や人的エラーを軽減し、よりよい信頼性とセキュリティを担保するとのことです。

昼食風景

OOW開催中は、ランチボックスのチケットが付いています。
開催2日目は時間が合わずに(14:00で配布終了)食べられなかったため、翌3日目はワクワクしながら早めに受け取りに行ったのですが……。
味については、「やはり日本のごはんは美味しいのだな」という感想を抱いた、とだけお伝えしておきます。



Oracle OpenWorld 2017レポート(前編)