Oracle Database 12c「マルチテナント・コンテナ・データベース」とは
先日リリースされた Oracle Database の最新リリースである 『12c』 について、多くの方が興味をもたれているのではないでしょうか。
Oracle Database 12c は、 "Cloud" の頭文字である "c" が付与され、データベース層において容易にマルチテナントを実現する機能が実装されていることが、一つの目玉となっています。
今号では、この目玉の機能である「マルチテナント・コンテナ・データベース」について概要をご紹介します。是非ご一読ください。
マルチテナント・コンテナ・データベースとは?
従来リリースでは複数のデータベースを作成する場合、個々に管理する必要がありました。
CDB 構成では 1つの CDB 内にプラガブル・データベース( PDB )という仮想的な DB を複数作成することによって、複数の DB を集約し一元管理することができます。
具体的には CDB は以下で構成された環境となります。
- ルート( CDB$ROOT ): CDB 全体で共有するオブジェクトやメタデータの情報を格納
- シード( PDB$SEED ): PDB を新規作成する際のテンプレートを格納
- プラガブル・データベース( PDB ): 従来リリースでの1つのデータベース
ルートとシードは 各 CDB に 1つのみ存在し、PDB は最大252個作成可能です。
CDB 構成の特徴としては次のようなものが上げられます。
- アップグレードやバックアップなどを CDB 単位で行うことができるため、複数 DB 毎に実行する必要がなく作業の簡略化がされる
- CDB 内でプロセスやメモリ、メタデータが共有されるためリソースが低減される
- CDB 間で PDB の移動ができる
- 複数 PDB を一括で停止や起動ができる
- PDB が1つまでの場合、どのエディションでも使用が可能(PDB を2つ以上の場合は Oracle Enterprise Edition ( EE ) のオプション・ライセンス「 Oracle Multitenant Option 」が必要)
- 複数の PDB を作成しない場合は従来の DB よりもデータファイルが増え領域を使用する
(ユーザーデータを格納する PDB 以外の ルート や シード も固有のデータファイルを保持するため)
CDB と 従来型データベースタイプ(非 CDB )のインストール
OUI と DBCA で作成する際に、CDB 構成と非 CDB 構成を選択する画面が追加されています。
以下画面でチェックボックスを選択して PDB 名を入れると最小構成( PDB が1つ)の CDB環境、チェックボックスを外すと非 CDB 構成になります。
- OUI の場合
- 「データベース識別子の指定」画面「コンテナ・データベースとして作成」のチェックボックス
- DBCA の場合
- 「作成モード」画面「コンテナ・データベースとして作成」のチェックボックス
最後に今回は CDB 構成についてご紹介を致しましたが、非 CDB 構成を含めてお客様環境にあった構成での構築をして頂ければと思います。
(オラクル事業部 技術担当サポートセンターG 加藤)