Oracle トレース・ファイル・アナライザ(TFA)
*以下は、サポート契約締結中のお客様に毎月配信しているサポートレターより一部抜粋して掲載しています。
Oracle トレース・ファイル・アナライザ(TFA) とは
Oracle トレース・ファイル・アナライザ(以降、TFA と記載)は、障害や、パフォーマンス問題などの診断情報の収集を簡素化することが可能です。
TFA は Oracle が提供するツールがバンドルされたツールとなります。
TFA には以下のツールも含まれております。
- ORAchk
- EXAchk
- oswatcher
- procwatcher
- oratop
- sqlt
- alertsummary
- ls / dir
- pstack
- grep / findstr
- summary
- vi / notepad
- tail
- param
- dbglevel
- history
- changes
- calog
- events
- managelogs
- ps / tasklist
- triage
TFA の入手方法
最新版の TFA は My Oracle Support のドキュメントID 1609374.1 よりダウンロードできます。
TFA インストール方法
1. 製品のダウンロード
"Oracle トレース・ファイル・アナライザzip" をダウンロードする。(プラットフォーム毎にzipファイルは異なります。)
2. 環境への展開
インストール先の環境に、"Oracle トレース・ファイル・アナライザzip"コピーし、解凍する。
3. TFA のインストール
インストールには、installTFA コマンドを実行します。
実行コマンド
# installTFA<platform>
※ 可能であれば、root ユーザーにてインストールをお願いいたします。root でできない場合は、ORACLE_HOME の所有者にてインストールすることも可能ですが、一部機能が利用できません。
利用できない機能
- 自動収集
- リモートホストからの収集
- ORACLE_HOME 所有者が読み取れないファイルの収集、たとえば /var/log/messages または特定のクラスタウェア・デーモン・ログ収集
tfactl diagcollect の使用方法
様々な機能があるなか、診断情報を取得する "tfactl diagcollect" の使用方法を以下に記載します。
実施コマンド
tfactl diagcollect -srdc <srdc_type>
srdc_type とは
ORA-00600,ORA-07445 など、メッセージの内容や、"dbperf" など問題のタイプを設定します。
以下に、いくつかの srdc_type の例を記載します。
srdc_type の例
問題タイプ | SRDC タイプ |
---|---|
ORA-エラー | ORA-00600/ORA-07445/ORA-04031など |
データベースのパフォーマンス問題 | dbperf |
データベースのパッチ適用の問題 | dbpatchinstall/dbpatchconflict |
データベースのインストール/アップグレードの問題 | dbinstall/dbupgrade |
tfactl diagcollect の利点
ORA-7455 などの事象が発生した際、トレースファイルやインシデントファイルなど収集する情報が複数個所に出力されますが、このツールを利用することで、zipファイル形式に必要な情報が格納されます。
お客様環境にて発生している問題の診断に必要な情報が収集されますので、情報の取得漏れによる再収集など、お客様の作業工数の削減につながります。
zipファイルの出力先
tfa をインストールしたディレクトリ配下の、repository ディレクトリにzipファイルが出力されます。
注意点
デフォルトでは、incident ディレクトリが情報収集対象ではございません。
そのため、ORA-600 や ORA-7445 の情報を収集する前に必ず、ディレクトリに追加を実施してください。
ディレクトリ追加方法は、以下となります。
実施コマンド
tfactl directory add <incident ディレクトリへのフルパス>
※ 収集対処となったかの確認は、"tfactl print directories" で確認可能です。
まとめ
TFA には様々な機能があり、お客様の作業工数を削減できる可能性があります。
ぜひ、この機会に導入をご検討いただければと考えております。
また、弊社サービスにも TFA を利用したサービスとして、「NISS Remote Connect Service」もございますので、あわせてご確認いただければ幸いです。
-
NISS Remote Connect Service の詳細
http://www.intellilink.co.jp/topics/news_release/2017/060100
(オラクル事業部 サポート・サービス担当 芦名)