OCI 新機能:お知らせのサブスクリプションのご紹介
はじめに
OCI を導入するにあたり、オラクル社管理レイヤーにて問題やメンテナンスが発生した際の通知を受け取り、内容に応じて対処の要不要を確認する必要があります。この問題発生は https://ocistatus.oraclecloud.com/ から確認することができ、かつ RSS にて通知を受け取ることが可能です。
以前はメール通知設定も可能であったと認識していますが、現在は画面右上のとおり RSS のみです。なお、 https://ocistatus.oraclecloud.com/ は特定のテナントのみ影響する問題の情報は含まれていません。そのため、オラクル社管理レイヤーの問題やメンテナンスが発生した際の通知を受け取るためには、「お知らせ(Announcements)」にて問題の通知を受け取るように設定する必要があります。これまで、「お知らせ(Announcements)」はテナント管理者のみ通知を受け取る設定が可能でした。テナント管理者以外のユーザーに各種管理者権限を付与しても通知を受け取ることはできませんでした。
※ExaCS についてはテナント管理者以外に対して通知が可能でした。
この問題について、テナント管理者のメールアドレスをメーリングリストしたり、テナント管理者に届いた通知を関係者に自動転送する必要があり、頭を悩まされていた方も多いのではないでしょうか。場合によっては、数時間置きにOCIコンソール上の「お知らせ」画面を確認するというようなことを実施されているケースもあったかもしれません。
そんな状況が長らく続いていましたが、2022年2月の機能追加により、テナント管理者以外の通知先設定(お知らせのサブスクリプション)が可能となりました。実際にOCIを運用されている方や、現在設計されている方には非常に嬉しい機能追加だと思います。
今回はこの「お知らせのサブスクリプション」についてご紹介します。
お知らせのサブスクリプションの概要
上述のとおり、テナント管理者にのみ通知可能であったオラクル社管理レイヤーの問題やメンテナンス情報をテナント管理者以外でも受け取ることができる機能です。フィルタ機能が存在するため、必要な情報を必要な担当者に通知するように設定することができます。
例えば、「特定のコンパートメント」に対して「メンテナンス」の情報を「特定の担当者」に通知するといった指定を行うことができます。必要な情報を必要とする担当者のみに通知することができると捉えていただければと思います。
フィルタ条件は以下の設定が可能です。
お知らせタイプ | 推奨アクション、緊急変更、緊急メンテナンス、緊急メンテナンス完了、緊急メンテナンス延長、緊急メンテナンス・スケジュール変更情報、計画的変更、計画的変更完了、計画的変更延長 ※それぞれの意味は https://docs.oracle.com/ja-jp/iaas/Content/General/Concepts/announcements.htm#Types をご参照ください。 |
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コンパートメント | 既存のコンパートメントから選択 |
プラットフォーム | IaaS、SaaS から選択 |
リージョン | リージョンから選択 |
OCID | OCIDから選択 |
サービス | サービス名から選択 ※詳細は https://docs.oracle.com/ja-jp/iaas/Content/General/Concepts/announcements.htm#subscribing をご参照ください。 |
次に通知先設定は以下の設定が可能です。
電子メール | メールアドレスを指定 |
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HTTPSカスタムURL | HTTPSプロトコルを使用するURLを指定 |
PagerDuty | エンドポイント・フォーマット(URL)を指定 |
Slack | エンドポイント・フォーマット(URL)を指定 |
ファンクション | 通知を受けた際に実行するファンクションを指定 |
SMS | E.164形式で電話番号を指定 ※詳細は https://docs.oracle.com/ja-jp/iaas/Content/Notification/Tasks/managingtopicsandsubscriptions.htm#createSub__EmailProtocol をご参照ください。 |
お知らせのサブスクリプションの作成方法
では、実際にお知らせのサブスクリプションを作成してみたいと思います。まずは、OCI コンソールにテナント管理者としてアクセスし、右上のベルのマークを押下します。
お知らせの画面に遷移後、「お知らせのサブスクリプションの作成」を押下します。
「お知らせのサブスクリプションを作成」ページに遷移後、必要事項を入力します。
名前:作成するお知らせのサブスクリプションの名前を入力します。
説明:入力は任意です。どのようなお知らせのサブスクリプションであるか入力するとよいと思います。
コンパートメント:どのコンパートメントに作成するかを指定します。
フィルタ・グループ名:通知先をフィルタするための名前を入力します。
次にフィルタを指定します。今回はお知らせタイプとコンパートメントでフィルタします。
お知らせタイプ:通知先に通知したいお知らせを選択します。※最大10個まで選択可能です。
コンパートメント:下記画像では「コ...」となっている箇所です。通知を受け取りたいコンパートメントを指定します。
通知トピックでは、通知方法と通知先を設定します。今回はメールアドレスのみ指定した新規トピックを作成します。
コンパートメント:通知トピックを作成するコンパートメントを指定します。
名前:通知トピックの名前を入力します。
説明:入力は任意です。作成する通知トピックの概要等を入力します。
電子メール:通知したいメールアドレスを入力します。
入力が終わりましたら、「作成」を押下します。
「作成」を押下すると、指定したメールアドレスに下記の通知が届きます。
Confirm subscription を押下します。※メールがテキスト形式の場合は、URL を押下します。
下記の画面に遷移しましたら、設定は完了です。
設定したサブスクリプションは、OCIコンソールにて「お知らせ --> サブスクリプション」と遷移することで作成したお知らせのサブスクリプションを確認することができます。編集や削除もこのページから行えます。
まとめ
今回は「お知らせのサブスクリプション」についてご紹介しました。テナント管理者以外でも簡単に通知先を指定できることは運用面で有用です。また、SlackやSMSなど、メールアドレス以外の方法でも通知できるため、メールが受信できない状況をカバーすることも可能になります。
是非導入をご検討いただければと思います。