Oracle Java SE JDKおよびJREの脆弱性により、任意のコードが実行される脆弱性(CVE-2012-1723)に関する検証レポート

2012/07/17
NTTデータ先端技術株式会社
辻 伸弘
泉田 幸宏

【概要】

Oracle Java SE JDKおよびJREに、リモートより任意のコードが実行される脆弱性が発見されました。 本脆弱性は、JavaバイトコードをHotspot VMにて処理を行う際に、コードの検証が不十分であるため、Javaのサンドボックスを回避されることにより発生します。

この脆弱性により、リモートからJavaを実行するローカルユーザと同じ権限で任意のコードを実行される危険性があります。攻撃者は、ブラウザ経由でJavaアプレットを読み込ませるように特別に細工されたWebサイトにユーザを誘導することや、細工されたJavaアプリケーションを添付した電子メールを送信し、攻撃対象ユーザにファイルを開かせることでログオンしているユーザと同じ権限を奪取される危険性があります。

この脆弱性が修正されたバージョンのJDKおよびJREが、Oracle社より6月12日にリリースされております。しかしながら、攻撃を成立させるためのコードが容易に入手可能であり、かつ脆弱性に対する攻撃が容易であること、また攻撃を受けた際にシステムへの影響が大きいことから、今回、この脆弱性(CVE-2012-1723)の再現性について検証を行いました。

Oracle Java SE JDKおよびJREの脆弱性により、任意のコードが実行される脆弱性(CVE-2012-1723)に関する検証レポート

【影響を受けるとされているシステム】

  • Oracle Java JDK and JRE 7 Update 4以前
  • Oracle Java JDK and JRE 6 Update 32以前
  • Oracle Java JDK and JRE 5 Update 35以前
  • Java SDK and JRE 1.4.2_37以前

【対策案】

Oracle社より、この脆弱性を修正するバージョンがリリースされています。
当該脆弱性が修正されたバージョンにアップデートしていただくことを推奨いたします。

  • Oracle Java JDK and JRE 7 Update 5
  • Oracle Java JDK and JRE 6 Update 33

【参考サイト】

CVE-2012-1723
http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2012-1723

Oracle Java SE Critical Patch Update Advisory - June 2012
http://www.oracle.com/technetwork/topics/security/javacpujun2012-1515912.html

2012年6月 Java SE の脆弱性を狙う攻撃に関する注意喚起
https://www.jpcert.or.jp/at/2012/at120021.html

Oracle Java SE Support Roadmap
http://www.oracle.com/technetwork/java/eol-135779.html

【検証イメージ】

【検証ターゲットシステム】

  • Windows XP SP3
  • Java SE JRE 6 Update 32

【検証概要】

ターゲットシステム上で、悪意のあるユーザが作成したWebページを閲覧させることで、攻撃コードを実行させます。それによって、ターゲットシステムにおいて任意のコードを実行させます。
ターゲットシステムは、悪意のあるユーザが用意したホストに制御が誘導されます。

今回の検証に用いたコードは、ターゲットシステム上から特定のサーバ、ポートへコネクションを確立させるよう誘導し、システムの制御を奪取するものです。
これにより、リモートからターゲットシステムが操作可能となります。

* 誘導先のシステムは Debian です。

【検証結果】

下図は、攻撃後の誘導先のシステム画面です。

下図の赤線で囲まれている部分の示すように、誘導先のコンピュータ(Debian)のコンソール上にターゲットシステム(Windows XP)のプロンプトが表示されています。
黄線で囲まれている部分の示すように、ターゲットシステムにおいて、コマンドを実行した結果が表示されています。これにより、ターゲットシステムの制御の奪取に成功したと言えます。

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※ 各規格名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。


 

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