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【ニュースリリース】バックオフィス業務へのAI導入を加速する先進自然言語処理ソリューション「PhroneCore」を販売

~文書の整合性やリスクチェックなど幅広い業務に対応、“説明可能なAI”により業務品質の向上にも寄与~


ニュースリリース - 2020.10.13

NTTデータ先端技術株式会社

NTTデータ先端技術株式会社(以下:NTTデータ先端技術)は、バックオフィス業務の自動化、効率化に向けた先進自然言語処理ソリューション「PhroneCore(プロネコア)」を12月より提供開始します。
「PhroneCore」は、バックオフィス業務に必要となる文書分類、知識読解、自動要約などさまざまな言語理解が可能な各種AI機能を具備し、必要に応じた機能のみを組み合わせて活用できることで、コストを抑えながら業務への迅速なAI適用を実現します。
「PhroneCore」では、文脈を理解することができる最新の自然言語処理技術「BERT」*1を活用しており、少ない学習データでも高精度な文書理解が可能で、営業日報や請求書等の内容分析等、文書の整合性やリスクチェック等、幅広いバックオフィス業務の自動化・効率化を実現します。
また文書の知識化を半自動化する技術「知識グラフ」を活用することで、人の視点と同じように意味や関係性を認識させ、従来の機械学習では実現できなかった“AIの回答に対する説明(XAI*2)”ができることで、AIが出した結果のブラックボックス化にも対応し、業務の効率化のみに留まらず、業務品質の向上や人材育成の促進にも寄与します。
NTTデータ先端技術は今後「PhroneCore」を業種問わず幅広く提供していくことで、2026年3月末までに50ライセンスの販売を目指します。

背景

新型コロナウイルスの感染拡大に伴うニューノーマル時代において、バックオフィス業務は新たなワークスタイルに合わせた形での効率化が求められています。そこで現在注目されているのがAIの活用によるバックオフィス業務のデジタルトランスフォーメーション(DX)です。
AI技術が幅広く普及する一方、バックオフィス業務で行われる自然言語で書かれた自由記述文書から意図を理解するような知的作業を、AIで代替することは難しいと言われていましたが、近年では深層学習による言語理解の進化により、AIの言語理解能力が人間の能力に追いつきつつあり、2020年は言語理解AIのバックオフィス業務適用の本格化が予想されています。

NTTデータ先端技術は昨年12月より実施された郡山市と株式会社NTTデータ東北による実証実験において、言語理解AIのバックオフィス業務への導入に取り組みました。*3その結果、言語理解AIが調査票における記載内容の不整合を実用レベルの精度で検出できることを確認したほか、言語理解AIの適用により最大70%の人的コストの削減が試算されました。

NTTデータ先端技術は、この実証実験を含め、契約書のリスクチェック、社内ヘルプデスクの問い合わせ対応、社外向け文書作成といった10件のバックオフィス業務への言語理解AIの適用を行っています。これらの適用事例を通じて得られた多様な言語理解AIと、その業務適用に関する知見・ノウハウを適用することで、本言語理解AIをバックオフィスにおける多様な業務に適用できる形に整備し、先進自然言語処理ソリューション「PhroneCore」として提供を開始するに至りました。

PhroneCoreの概要

「PhroneCore」は、言語理解AIによる営業日報や請求書等をはじめとした、さまざまなビジネス文書の内容分析、整合性やリスクチェック等、幅広いバックオフィス業務に対応した先進自然言語処理ソリューションです。

最新の自然言語処理技術「BERT」の活用により、バックオフィス業務で用いられる自由記述文書の意図を高精度に理解できるほか、対象業務に必要な言語理解AIを柔軟に組み合わせられることで、コストを抑えながら迅速なAIの業務適用が可能になります。

図:「PhroneCore」のソフトウエア構成図

PhroneCoreの特長

自由記述の文書の意図を理解。“説明可能なAI”により回答結果のブラックボックス化にも対応

「PhroneCore」では、最新の自然言語処理技術BERTを活用しています。BERTを用いることで、少ない学習データでも高精度の文書理解が可能となります。また、文書の知識化を半自動化する技術である「知識グラフ」を活用することにより、人の視点と同じように意味や関係性を認識できるようになるため、従来の機械学習では実現できなかったAIの回答に対する説明(XAI)が可能です。AIの回答の根拠となる説明を利用できることで、作業の効率化だけではなく、業務品質の向上や、人材育成の促進といった効果も期待できます。

業務に必要な言語理解AIを組み合わせて高い拡張性を確保。導入コスト削減と迅速なAIの業務適用が可能

「PhroneCore」は、BERTと知識グラフの2つの先進自然言語処理技術を組み合わせることで、バックオフィス業務に必要な「文書分類」「知識抽出」「機械読解」「文書生成」「自動要約」といったさまざまな言語理解を実現することが可能です。また、「PhroneCore」はAI自体を提供する一般のクラウド型AIと異なり、各種の言語理解AIを組み合わせることで、バックオフィス業務ですぐに使えるAI機能を提供します。これにより、AIの業務適用にかかる時間やコストを削減することができます。

海外グループと連携して、多数の実業務への適用実績を持つAlgoAnalytics社「TextSense」も利用可能に

NTTデータ先端技術はグローバルなNTTデータグループ横断の集約組織AI CoE*4のメンバーであり、海外グループと連携してAIを活用した事業を推進しているため、海外の製品事例を含めたベストプラクティスの提供や、高度なAI技術者の活用が可能です。海外連携の具体的な事例としては、NTTデータが資本参加しているインドを拠点とする医療画像AIスタートアップのDeepTek社の重要なビジネスパートナーであるAlgoAnalytics社の言語理解AI「TextSense(テキストセンス)」を活用し、要約作成や請求書処理等のバックオフィス業務のデジタル化に取り組んでいます。
「PhroneCore」ではBERTや知識グラフに加えて、AlgoAnalytics社の言語理解AIも利用することで、広くバックオフィスのニーズに対応できます。

今後について

NTTデータ先端技術は、今後「PhroneCore」を「音声認識」「文字・画像認識」といったコグニティブAIと組み合わせることで、通常のビジネス文書だけでなく会議音声や非定型帳票などの内容理解を必要とする作業の効率化・自動化についても順次対応していく予定です。

また、NTTデータ先端技術は「PhroneCore」を業種問わず幅広く提供していくことで、2026年3月末までに50ライセンスの販売を目指します。

参考

「PhroneCore」ソリューションページ:https://www.intellilink.co.jp/services/ai/phronecore.html

  • *1「BERT(Bidirectional Encoder Representations from Transformers)」とは2018年10月にGoogleが発表した自然言語処理モデルであり、自然言語処理分野のさまざまなベンチマークにおいて従来モデルの精度を上回るなど近年非常に注目されています。
  • *2「XAI」とは「eXplainable AI」の頭文字を取った機械学習モデルです。AIの判定根拠を、人間にも分かる形で説明できるようにする仕組みが研究され始めています。
  • *3 2020年7月27日 株式会社NTTデータ東北ニュースリリース:
    郡山市との「要介護認定事務におけるAI実証実験」に関する最終報告について
    https://www.nttdata-tohoku.co.jp/newsrelease/20200727.html
  • *4 2019年5月32日 株式会社NTTデータニュースリリース:
    AI技術のグローバル集約拠点、AI CoEを新たに設立
    https://www.nttdata.com/jp/ja/news/release/2019/052100/
  • *「PhroneCore」は日本国内におけるNTTデータ先端技術株式会社の商標です。
  • *その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。

本件に関するお問い合わせ先

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営業企画推進部
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