Hyper-V ワークグループクラスター 2025
2024年11月4日(現地時間)にWindows Server 2025のGAが発表されました。
本稿はそれを受けて過去コラムで積み残しとなっていました2025の新機能の対応を検証したものです。
ワークグループクラスターとは
ワークグループクラスターは、Windows Server 2016以降で実装された機能で、ドメインに依存しないクラスターを構築します。これは、複数のサーバーを1つのフォールトトレラントクラスタにグループ化するための新機能と機能強化を提供します。
「ドメインに依存しない」によりActive Directoryドメインコントローラーが不要となりますので、システム構成のシンプル化と作業量の削減に効果のある仕組みとなっています。
Windows Server 2022までのワークグループクラスターの制約
Windows Server 2016/2019/2022のワークグループクラスターでは、ライブマイグレーション(ダウンタイムなしで仮想マシンのホストを移動可能な機能)がサポートされておらずクイックマイグレーション(ダウンタイムあり)のみのサポートとなります。
過去記事にてプレビューのライブマイグレーション動作は確認できていますが、GAされたということで改めてと言うのが本稿の目的の1つとなります。
システム構成
Hyper-VホストがWindows Server 2025になっています。
構築手順
構築手順は変更なく実施することができました。スクリプトもそのまま使用できています。
Hyper-V ワークグループクラスター構築
検証項目
太字の項目がアップデート分です。ライブマイグレーションとクラスター対応更新の再検証を行っています。
# | 検証項目 | 検証結果 |
---|---|---|
1 | ノードリストア |
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2 | ディスクリペア |
|
3 | 2ノード→3ノードへのノード追加 |
|
4 | クラスター対応更新 | プレビューでは、ワークグループではクラスター対応更新を実行することができなかったためRTMで確認をしたところ、ワークグループでもクラスター対応更新を実行することができた |
5 | 優先ノード | 優先所有者の設定を使用することで、クイックマイグレーション実行時に優先的に移動させることができた |
6 | ライブマイグレーション | プレビューでは、ワークグループのライブマイグレーションではEnable-VMMigrationの明示的な実行が必要であったが、RTMでは不要となっており、デフォルトの状態でライブマイグレーションを実行することができた |
いずれも正常動作が確認できました。Ignite 2023での発表が実現された瞬間です。
(参考情報)ライセンス
参考としてライセンス関連の情報を下記に記載します。(再掲)
# | ライセンス | 補足 |
---|---|---|
1 | サーバーライセンス |
|
2 | CAL |
|
3 | サポート |
|
4 | 価格 | Windows Serverの価格とライセンス ※2025に更新されています |
おわりに
Hyper-V ワークグループクラスター 2025いかがでしたでしょうか?
無事にライブマイグレーションもサポートされ、今後はワークグループクラスターも現実的な選択肢に入ってくるのではないでしょうか。
何といってもActive Directoryが不要なのは大きいですね。1台はクラスターの外に置かないといけないのは地味に面倒な要件でしたので。
機会があればご提案していきたいと思います。
本コラムを読んでいただきありがとうございました!
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