Oracle OpenWorld 2017レポート(後編)



羽田 久美子

オラクル事業部
戦略技術担当

羽田 久美子

前編に続き、10月1日~5日(現地時間)の5日間にわたり開催されたOracle OpenWorld 2017(OOW)についてご紹介していきます。
開催3日目の現地での様子からOracle社が発信した内容まで、いくつかピックアップしてご紹介します。

※ 本文章は当社社員がOracle OpenWorld 2017に参加した感想を記載したものであり、Oracle社の正確な発表内容についてはOracle社より直接公開されている資料をご参照ください。

開催3日目:10/3(火) 9:00-11:00 Tuesday Morning Keynote @Moscone North

3日目のトーマス・クリアン氏によるキーノートでは、過去10年にわたって開発してきたOracle Cloudのビジョンについてのお話から始まります。

現在のOracle Cloudのラインナップである、Data-as-a-Service、Software-as-a-Service、Platform-as-a-Service、Infrastructure-as-a-Serviceに加えて、今後は以下がプラスされるだろう、と語っていました。

  • Human Interface
  • Artificial Intelligence
  • Internet of Things
  • Blockchain
  • Hybrid Computing

また、5つの新しいInfrastructure-as-a-Serviceについても触れていました。

  1. Oracle Cloud:Fastest Compute
  2. Oracle Cloud:Fastest GPU
  3. Oracle Cloud:Fastest Storage
    • All Flash
    • HDD+Flash
    • HDD
  4. Oracle Cloud:Fastest Network

    多くのクラウドでは、1Gbや10Gbのネットワークなのに対し、Oracle Cloudでは以下のより高速な選択肢があるようです。

    • 100Gigabits Per Second / each Load Balancer
    • 25Gigabit Ethernetをホストに直接接続できる
  5. Oracle Cloud:Industry-leading Global DNS
    • ハイスケールなDNS

また、ベアメタルについて、

  • VMとは異なり物理サーバーである
  • GPUはベアメタルのみで利用可能であり、最も高速である

と語っていました。

さらに、デモを多数交えて、GUIベースで手軽にWebアプリケーションを作成する例が紹介されました。

  • "Event Hub"によるストリーミング設定
  • アプリケーションのDeep Learning

サーバーレスなプログラミングモデル、サーバーレスなフレームワークをうたっており、インフラのことは考えずに、アプリケーション開発に集中できるようになったというメッセージでした。

なかでも、Big Data Analyticsのデモはとても興味深かったです。
コーディング不要のGUIベースで、Webアプリケーションが作れるため、「ブラウザだけがあれば良い」と紹介しており、以下の特長についても触れていました。

  • 専門のアナリストでなくてもどんなデータソースも分析可能
  • Facebook、Twitter、Instagram などの情報をキーワードで絞込みつつ取り込んで、リアルタイムに分析が可能
  • 写真の内容から、写っている物の名前や、ブランド名の識別も可能
  • スマホから分析して結果を見ることも可能

本キーノート詳細は以下の動画からご覧いただけます。

開催3日目:10/3(火) 14:00-15:00 Tuesday Keynote @Moscone North

会長兼CTOのラリー・エリソン氏によるキーノート。
ラリー氏の講演内容については、いろいろなサイトで報じられているので、ここでは印象に残ったことを中心に記載します。

Equifax社の大量個人情報流出事件(アメリカ人約半分のデータが流出)について、100年も続く会社だけれども、この問題で今後どうなるかわからない、と述べ、セキュリティの重要性について語っていました。

また、運用面について、オープンソースは使ってもよいが、管理することが必須であること、また、パッチについても、リリースされたパッチはすぐに適用することがセキュリティの観点で重要であるが、一方で、勝手にパッチ適用のために停止されたら困るよね。。。という現状の課題に対して、Oracle Management and Security Cloud活用のメリットを、以下のように述べていました。

  • 人の操作をなくすことで、運用の安全性を高めることができる
  • 自動化で運用コストを削減でき、余った工数でエンジニアは、Computer Security Incident Response Team(CSIRT)の活動に力を注ぐことができる
  • Amazonなどにも対応しており、ログを共通のフォーマットにして取り込むことが特徴。
  • データをエンリッチする(表っぽい形にフォーマットして管理するイメージ)ことができる
    (Splunkは良くできた製品ではあるが、エンティティモデルがなく共通のフォーマットではないため、エンリッチが必要な製品である)

本キーノート詳細は以下の動画からご覧いただけます。

昼食風景

OOW開催中は、ランチボックスのチケットが付いています。
ランチチケットには、11:30-13:30 の記載がありその期間にお弁当が配られます。

11:00過ぎから配られ始めて、14:00にはもう配布は終了になってしまいますのでお弁当の食いはぐれには注意が必要です。
メニューはグラスフェッドミートローフサンド・マカロニのサラダ・レモンケーキ(かなり甘い。。。)



Oracle OpenWorld 2017レポート(後編)