【ニュースリリース】NTTデータ先端技術、オーケストレーションフレームワークCloudifyの取り扱い開始

~基盤システム構築や設定変更・運用の自動化を推進~


ニュースリリース - 2017.12.06

NTTデータ先端技術株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:三宅 功、以下、NTTデータ先端技術)は、2017年12月6日よりシステム構築や設定変更の自動化をより効率的に実施するためのオーケストレーション*1フレームワークであるCloudify(クラウディファイ)の取り扱いを開始します。
CloudifyはCloudify Platform社によって開発されたOSS(Open Source Software)のクラウドオーケストレーションフレームワークです。企業が管理するオンプレミスの多種多様なサーバーやネットワーク装置に加え、複数クラウドも一括で制御することで、システム構築や設定変更の自動化が期待されます。
NTTデータ先端技術では、Cloudify製品の販売だけでなく、導入のためのコンサルティング、制御対象となるクラウド基盤やネットワーク装置との接続のためのカスタマイズ開発、保守およびサポートサービスまでトータルで提供します。これにより、企業のIT部門やデータセンター事業者、通信キャリアの基盤システム設定および運用の自動化を行い、運用管理・維持コストの削減を実現します。製品導入に加えたコンサルティングにより、周辺装置の現状分析などに基づいた最適な構成での導入、さらなるコストの低減をサポートします。

背景(概要)

昨今、情報システムに対する要求が多種多様化・複雑化しています。また、その複雑化されたシステム全体を一括で柔軟に制御でき、オンプレミスのサーバーやネットワーク装置、クラウド基盤への容易な構成変更などが求められています。しかし、従来の情報システムでは、基盤の更改に合わせて運用管理システムの改修が必要になったり、複数の装置を手動で設定変更する手間や時間がかかったりするといった問題がありました。
このような課題を解決し、ユーザーが構築したアプリケーション実行環境をどのクラウド基盤上でも利用可能とすることを目標とした標準仕様としてTOSCA*2(Topology and Orchestration Specification for Cloud Applications)が規定されています。この定義に沿った実際のシステム構成方法・手段などの実現方式について検討および検証が進められています。
NTTデータ先端技術では、アプリケーションスタック*3のインストールやデプロイメント*4のプロセスに加えて、モニタリングや改善、自動スケーリング*5といったデプロイメント後のプロセスも自動化するオーケストレーションフレームワークCloudifyについて技術検証を進めてきました。オンプレミスのクラウド基盤であるOpenStackやパブリッククラウドであるAWS、Azureとの連携、コンテナ技術であるDockerとの連携についても検証を実施しました。
今回、その検証で得たノウハウを活用し、お客さま環境の運用管理・維持コストの削減を実現するため、Cloudifyの取り扱いを開始します。NTTデータ先端技術ではCloudify製品の販売だけでなく、スクリプト開発やプラグイン開発に加えて、Cloudifyを活用したクラウド構築、ネットワーク構築、システム更改、導入コンサルティングサービスなどに至るまで、トータルでビジネスを展開していきます。

Cloudifyの概要(特長)

今回取り扱いを開始するCloudifyの特長は以下の通りです。

ライフサイクル全体の管理が可能

インストールや設定といった初期段階だけでなく、デプロイメント後の設定変更やリソースの追加などにも追従可能なオーケストレーターです。これにより、全体の管理と監視、スケーリング、回復を同一の拠点から行い、インテリジェントな自動回復と自動スケーリングの機能までを実現できます。

標準仕様に従った記述が可能

TOSCAに準拠したモデルで記述(サーバーやOS・アプリケーションをノードとして扱い、構造化されたフォーマットでノード間の関係性を定義)され、特定のクラウドやネットワーク機器に依存しない形での表現(機器固有の情報を含まない抽象化された形でモデル化)ができます。これにより、ユーザーは制御対象の機器の違いを意識することなく全体のオーケストレーションが可能になります。

さまざまなプラグインに対応

先進のクラウド(OpenStackやAWS)、インフラストラクチャー(VMwareやDocker)、ネットワーク装置(Netconf)、ツール(ChefやPuppet、SSHまで)を制御するためのプラグインが提供されています。これにより、多種多様な制御対象のコンポーネントを最低限の追加実装および検証をするだけで、オーケストレーターから一括で制御することが可能になります。

独自スクリプトや独自プラグインの実装も容易

CloudifyはOSSで実装されていることから、ユーザーが利用するにあたって不足している機能については独自スクリプトやプラグインの形で実装することが可能です。これにより、ユーザーはスクリプトやプラグインを追加実装することで効率的に任意のプロダクトに対応することが可能になります。

図1. Cloudify利用イメージと特長

図1. Cloudify利用イメージと特長

Cloudifyを用いることで、制御対象となるクラウド基盤やネットワーク装置の機能が抽象化されるため、機器更改や変更によるシステム改修が最低限に抑えられ運用管理システムを低コストで維持することが可能になります。また、シナリオに従ったシステム基盤全体の制御が可能になるため、運用コストの削減、短時間でのシステム設定変更が実現できます。

今後について

NTTデータ先端技術では、仮想化基盤の構築や企業ネットワークの構築で培ったノウハウやプロジェクト遂行力を基に、システム全体の構築・設定変更の自動化(オーケストレーション)の提案を進めて行きます。
今後も、Cloudifyをはじめとしたクラウドオーケストレーションソリューションの展開を強化し、2020年度までに5億円の売り上げを目指します。

関連情報

Cloudifyの機能や仕様の詳細につきましては、下記ページをご参照ください。

  • *1 オーケストレーションとは、複雑なコンピューターシステム、ミドルウェア、サービスの配備、設定、管理などの自動化を指す。
  • *2 TOSCAとは、PaaSに関するシステム構成の標準仕様の1つ。ユーザーが構築したアプリケーション実行環境をどのクラウドでも利用できるようにすることを目指している。クラウドアプリケーションのためのトポロジー(クラウド上で稼働する業務システムのシステム構成)とオーケストレーションの仕様を規定している。
  • *3 アプリケーションスタックとは、複数のアプリケーションやミドルウェアおよびOSの組み合わせ(システム構成)のことで、アプリケーションやミドルウェア単体ではなくシステム構成全体を一つの集合体として定義するものを指す。
  • *4 デプロイメントとは、Webアプリケーションなどのシステム開発工程において、開発したソースコードや設定ファイルなどをサーバーに設置したり設定等を反映したりし、システムを利用可能な状態にすることである。
  • *5 スケーリングとは、装置やソフトウェア、システムなどの性能や処理能力を、要求される処理量に合わせて増強したり縮減したりすることをいう。
  • *その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。

本件に関するお問い合わせ先

報道関係のお問い合わせ先

NTTデータ先端技術株式会社

営業推進部 営業推進担当 広報グループ
大西
Tel:03-5843-6860

製品・サービスに関するお問い合わせ先

NTTデータ先端技術株式会社

ソリューション事業部 SDIソリューションビジネスユニット
三宅、永園
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