背景
昨今のセキュリティ人材の不足に伴い、中央省庁および重要インフラ企業などでは高度なスキルを持つサイバーセキュリティ人材の育成が急務となっています。
特に、高度なスキルを習得・維持するためにはインシデントにおける対処、各種マルウェアや攻撃手法の分析、セキュリティ監視や診断業務など幅広い経験が重要となりますが、実際の現場では常に最適な経験を得ることができるとは限らず、最新の状況を反映した演習によってその支援を行う必要があります。
このニーズに応えるため、当社では2016年よりオンプレミス構成でのサイバー演習システムの提供を行ってきましたが、今回、Silensec社とマスターリセラー契約を締結することで、オンプレミスだけでなくポータブル構成やクラウド上でのサービス型および専有型での提供も可能とし、さらに従来製品よりも低いコストで提供することで、より広くセキュリティ人材の育成をサポートします。
製品概要および当社提供サービス
Silensec社のサイバーレンジ製品は、仮想基盤を用いてサイバー演習システムおよびサービスを提供します。
この中には、Learning Management System (学習管理機能)、基盤と連動した演習管理・実行機能、演習カスタマイズ機能など、演習システムとして必要とされる機能が含まれる他、コンテンツとして複数の目的かつ多段階にレベル分けされたグループおよび個人演習カリキュラムと、それに対応する演習問題、演習用の環境が含まれます。
また、コンテンツについては適時アップデートが行われ、最新の脆弱性や事件の内容を反映した演習が追加されます。
今回のマスターリセラー契約により、NTTデータ先端技術ではお客様に対して、上記Silensec社のサイバーレンジ製品を利用するために必要な以下のサービスを提供する他、マスターリセラーとしてシステムベンダーなどを通じた販売も行います。
- • 導入に必要なハードウェア、基盤環境提供
- • 導入のための要件定義から設計・構築作業
- • 導入後の保守、サポート、演習の作成および実施支援作業(オプション)
導入後の演習支援や個別の演習作成作業などは、当社でインシデントレスポンス業務を通じて、サイバー攻撃やその対処に関する知見を蓄積したメンバーを中心に対応します。
図:サイバー演習システムの演習選択画面
演習では、個人向けハンズオンと上級者を対象としたチームベースのトレーニング環境を用意しています。個人演習では、4段階の難易度の中から自分に合ったレベルの内容を自分のペースで進めることが可能です。上級者向け演習では、攻撃チームと防御チームに分かれ、ツールを使用したリアルタイムの攻防戦を行うことができます。
また、以下のような演習のカスタマイズもでき、お客様個々のニーズにあわせた最適な演習が可能です。
- ・産業制御システム(SCADA)、金融会社、電気通信事業者または電力会社などのインフラを再現したトレーニング
- ・CTF(Capture The Flag)演習
- ・トラフィックシミュレーターを用いた高度なネットワーク攻撃の再現
- ・悪意のあるトラフィックによる演習やシミュレーション
Silensec社について
キプロスに本拠地を置くSilensec社は2006年に設立され、開発およびサービス提供拠点をキプロスの他、英国、ケニア、北米で展開し、セキュリティコンサルティング/監査サービス、セキュリティに関するトレーニング、SOCサービスの提供を行っています。
創業者でCEOのAlmerindo Grazianoを中心に、欧州サイバーセキュリティ機構(ECSO)のサイバーレンジSWG5.1や国連/ITUなどでサイバーレンジに関するWG活動、カリキュラムの開発を精力的に行っており、欧州およびアフリカ地域において軍や政府機関、教育機関、重要インフラ企業にサイバー演習をサービス/システムとして数多く提供しています。
G&N Silensec Ltd.:https://www.silensec.com/
関連情報
https://www.intellilink.co.jp/business/security/cyberrange.aspx(INTELLILINK サイバー演習システム CyberRange)本件に関するお問い合わせ先
報道関係のお問い合わせ先
NTTデータ先端技術株式会社
営業統括本部
営業企画推進部
企画担当
澤田、藤澤、千葉、甘田(かんだ)
TEL:03-5843-6860
E-Mail:pr-info@intellilink.co.jp
製品・サービスに関するお問い合わせ先
NTTデータ先端技術株式会社
セキュリティ事業本部
セキュリティレジリエンス事業部
インシデントレスポンス担当
植草、池田、竹下、吉村
TEL:03-5859-5427