AI開発のプロジェクトを紹介します 【第3回】 ~AIの実用化と当社の取り組み~

人工知能(AI)

2021.04.23

  

前回のおさらい

本コラム第2回では、AIモデルのチューニングや性能に対する考え方について紹介しました。
第3回(最終回)では、AIの実用化と当社の取り組みについて紹介します。AIが独り立ちできるようになるまでの過程を見ていきましょう。

AIの実用化に向けて

AIのPoCが終了すると、その成果によっては実用化・製品化に向けての開発案件に発展することがあります。

PoCの成果物は“概念を実証する”ことを主目的に作られているため、長時間動作させた場合やあらゆるデータを入力させた場合の挙動の隅々まで確認することはしていません。そのため、製品として必要な品質に仕立てるための作りこみや試験を実施します。
さらに、AIシステムではルールやモデルのチューニングにより精度を高めていく等の“運用”が重要な要素になります。チューニングはシステムを作ったエンジニアでも難しい作業になるのですが、エンジニアでなくても扱えるようにノウハウを手順化したり運用担当にレクチャーを行ったりすることで、ようやく製品として独り立ちすることができます。

製品化のフェーズでは、【第1回】の冒頭でお話したウォーターフォール方式で作業を進めることになりますが、AI開発の現場に長くいるエンジニアはアジャイル方式に慣れてしまっているために少々戸惑いながら作業していることが多いです。

私は過去さまざまな案件に携わってきましたが、実用化・製品化されるケースはほんのわずかです。
良いモノができたのに諸事情により実用化できなかったり競合製品に先を越されてしまったりして悔しい思いをすることもありました。また一方で、当社の新入社員と話をした際、私が過去に携わった製品が講義のツールとして利用されていたという話を聞いて嬉しくなったこともあります。
たとえ実らなかったとしても作業を通じてノウハウが蓄積されることで、より高度な案件に挑むこともできるようになります。

製品紹介 - PhroneCore

当事業部ではバックオフィス業務の自動化・効率化に向けた先進自然言語処理ソリューションPhroneCoreを開発・販売しています。PhroneCoreは、言語理解AIを中心に構成されており、今後もさらに機能を拡充していく予定で社内外からも注目度が高く期待されている製品です。

PhroneCore

PhroneCore(プロネコア)- バックオフィス業務へのAI導入を加速する -
https://www.intellilink.co.jp/business/software/phronecore.aspx

製品化の先は…?

AIが製品化された後は、対外的に営業活動するために展示会への出展やセミナーの開催を企画します。そうすることでより多くのお客様に製品を知っていただけることになります。

特に展示会では長きにわたり当社製品を利用してくださっているお客様も訪れるため、生の意見をいただいたり情報交換したりと貴重な時間になります。
新規のお客様に対しては自社製品の特長を説明して興味をひきつけ販売につなげていくのですが、同業他社が出展されていることが多く、競合製品と比較してのするどい指摘をいただくこともあります。

その他にも、マーケティング戦略に沿って製品保守や機能追加、他製品とのクロスセル、新技術の共同検証などの施策を用いて顧客の満足度を高めながらビジネスを拡大していきます。

コロナ禍と新しい生活スタイル

当社ではコロナ禍を転機としてテレワークの恒常化が進められており、チームメンバーやお客様とのやり取りも全てオンラインで行います。就業時間はフレックス制が採用されているため、各々のスタイルに合わせて働くことができます。

1日の過ごし方

1日の過ごし方

コロナ禍になってからは、これまで対面で行っていた全ての作業がオンラインでの実施となり、生活スタイルも大きく変わりました。当初は上手くできるのか?という不安もありましたが、慣れてしまえばオフィスへの出社時と同様に作業が進められるようになります。
また、開発業務には技術書は必須ですが、紙媒体・電子媒体を問わず書籍の共有ができないことや周囲のメンバーと気軽に話すことができなくなったことが課題と感じています。もちろんオンラインチャットや音声でいつでもやりとりできる利点はあるのですが、文字や声だけのやり取りに終始するため、対面のときと比べると少々物足りない感じはあります。このあたりはチームメンバーとも相談しながら過ごしやすい環境を少しずつ作っていくことになりそうです。

インターンシップ

当社では学生の方を対象に定期的にインターンシップを行っています。
インターンシップでは、配属される部署のトレーナーから指示やアドバイスを得ながら実務に取り組んでいただきます。期間は2週間ほどで最終日には成果報告会を行います。2020年度も当事業部にインターン生が配属され、本コラムで紹介したAIに関する実務の一部に取り組んでいただきました。先日、2020年度インターンシップの成果発表会に参加したところ、製品の問題調査で成果を出された方、セキュリティ対策について深く学んだ方など、配属先ごとに内容に富んでおり、初々しくも緊張感のある様子で発表されている姿が印象的でした。

インターンシップ成果報告会の様子

インターンシップ成果報告会の様子

コロナ禍で業務のスタイルも変わりつつあるため、実務から発表まで全ての活動がオンラインで対応となりましたが、当社の実務を体験していただいた方たちにはとても良い経験になったのではないでしょうか。
学業で主に研究をされている方にとっては、専門知識の大切さはもちろんのこと組織のチームワークが加わることで仕事をこなしていくことの難しさや楽しさを学ばれたようでした。

さいごに

本コラム“AI開発のプロジェクトを紹介します”では、AIソリューション事業部での日々の取り組みについて紹介しました。
困難に挑戦し、考え、工夫し、新しいものを生み出す。私が過去お世話になった方の中にこれらの営みを“突破力”と表現されている方もいました。とても心に響く言葉だと思います。
当社の社名にもあります通り、“技術”を磨いていくことはもちろん、組織の力も合わせた“突破力”でAIビジネスを開拓していくことが当事業部のミッションです。

本コラムは以上で終了となります。内容はいかがでしたでしょうか?
私たちの職場はとてもやりがいのある現場です。世の中のあらゆる所にはAIビジネスのチャンスがあり、今後はAI技術者の活躍の場がさらに増えていくと言われています。ご興味を持たれた方、ぜひAIの世界に足を踏み入れてみてはいかがでしょうか。当社の採用サイトでは、当事業部のメンバーによるプロジェクト紹介も掲載しておりますので、ぜひ本コラムとあわせてご覧ください。

プロジェクトストーリー : NTTデータ先端技術 採用サイト
http://www.intellilink.co.jp/recruit/project_story.aspx