Zero Data Loss Recovery Appliance
今号では、オラクル社が2014年10月に公開した、Oracle Database を保護するための新製品「Zero Data Loss Recovery Appliance (以下ZDLRA)」についてご紹介します。ぜひご一読ください。
*以下は、サポート契約締結中のお客様に2014年11月号として配信しているサポートレターより一部抜粋して掲載しています。
Zero Data Loss Recovery Appliance について
ZDLRAとは、オラクル社が新たに提供を開始した Oracle Database におけるデータ保護専用のエンジニアド・システム 製品です。その名前の通り、リカバリ時のデータロスをゼロにすることをコンセプトとして開発されました。
皆さんは、Database のバックアップについて、どのようなイメージをお持ちでしょうか。方法が煩雑で面倒、有事の際に本当にリカバリできるのか不安といったようなことをお考えになられる方も多いのではないでしょうか。
ZDLRA は、次のような方にお薦めしたい製品です。
- 障がい時には、障がい直前のトランザクションまでリカバリしたい
- リストア時には、オーバーヘッドによる、CPU、I/O、 ネットワークに関するリソース消費を削減したい
- OS や Database のバージョンが異なっていても、個々のバックアップ・ファイルを一元管理したい
ZDLRA は、上記全てを実現することができます。どのように実現するかについては、以降ご説明します。
ZDLRA の特長
- 1. 障がい直前までのリカバリが可能
- 通常のリストアは一定期間置きに取得したバックアップをもとに行っているため、障がい直前まで復旧することはできない可能性があります。それに比べて、ZDLRA はリアルタイムで保護対象となる Database から常時 Redo を受け取っているため、トランザクション処理を行うたびに、バックアップを取得していることになります。そのため、リカバリ時には、障がい直前のトランザクションまで復旧可能です。
- 2. リストア時のオーバーヘッドによるリソース消費の削減が可能
- ZDLRA の場合は 1 度だけフルバックアップを取得すれば、その後は差分を取得するだけで、仮想的にフルバックアップを作成、格納することができます。仮想フルバックアップを用いることで、通常のリストアと比べ、フル + 差分バックアップ群のリストア処理を必要としないため、オーバーヘッドによる CPU、I/O、ネットワークにおけるリソースの消費を削減することができます。
- 3. 異なるバージョンにおける Database の一元管理が可能
- ZDLRA では、OS や Database のバージョンが異なっていても、ZDLRA にプラグインを追加し、Enterprise Manager に登録することにより、Database のバックアップを一元管理することができます。また、リアルタイムで Redo を ZDLRA に転送しているので、リカバリ可能な時点や保護されていないデータを Enterprise Manager から容易に把握することができます。
まとめ
ZDLRAは、オラクル社における長年の Database 開発経験から、より一層の耐障がい性が必要であるという考えのもとで開発されました。
上述のとおり、リストア/リカバリに対する不安を解消し、かつバックアップ対象サーバのリソース消費を削減できるとともに、Enterprise Manager によって複数の Database におけるバックアップ運用をさらに効率化できます。
(オラクル事業部 技術担当サポートセンターG 福富)