導入事例 - インテージヘルスケア株式会社様
ビジネスの基盤となるOracle Database移行を前回の約1/2の期間で完了
リカバリ検証結果を第三者によるエビデンスとして活用し、信頼性を向上
ヘルスケア領域のマーケティングリサーチやCRO(医薬品開発業務受託)サービスを提供している株式会社インテージヘルスケア(以下、インテージヘルスケア)では、業務システムの移行にともない、NTTデータ先端技術株式会社(以下、NTTデータ先端技術)の提供する「データベースクイック移行サービス」を利用して、Oracle Databaseのスムーズ、かつ短期間での移行を完了した。さらに、「リカバリ検証」も実施することで、リカバリに関する知見の蓄積や顧客への客観性をもったエビデンスを獲得した。
お客さまプロフィール
お客さま名 | 株式会社インテージヘルスケア |
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所在地 | 〒101-0062 東京都千代田区神田駿河台四丁目6番地 御茶ノ水ソラシティ13階 |
設立日 | 1994年12月15日 |
従業員数 | 690名 |
ウェブサイト | https://www.intage-healthcare.co.jp/ |
データベースを含めたシステムの移行工数、コストが課題
インテージヘルスケアは、ヘルスケア領域のマーケティングリサーチや、医薬品開発・製造販売後調査・安全性業務支援をコアビジネスと位置付け、課題に対して「医療消費者」起点のデータの価値化による、最適な意思決定をサポートするソリューションを提供している。
医療消費者起点により情報を価値化して提供する同社にとって、ITは欠かせない基盤となっている。2003年頃には業務システムを自社開発し、そこからOSやデータベース、ハードウェアのライフサイクルにしたがって、都度移行を繰り返してきた。2006年と2014年には大きな移行タイミングがあり、2014年のシステム移行ではハードウェアを刷新するとともに、OSをWindows Server 2003から2008、データベースをOracle Database 10gから11gへと移行した。
インテージヘルスケア 経営企画本部 IT推進グループの石川 英樹氏は、「当初はWindows上にシステムを構築してきましたが、その後はLinuxの利用も始まり、2014年の移行の際には、OSの変更やクラウドサービスの活用なども含め、幅広く検討しました。最終的にはロジックを極力変更せずに移行という形になりましたが、検証作業に時間を要し、大きなコストも必要となることから、システム移行は長年の課題となっていました」と語る。2014年のシステム移行では、最終的な検証まで含め約6ヶ月の期間を要したと言う。
そして今回、Windows Server 2008およびOracle Database 11gのサポート終了を前に、該当システムの移行をいかに低コスト、効率的に行うかの検討を進めてきた。
対応力を評価してNTTデータ先端技術のデータベースクイック移行サービスを採用
今回の移行についてもハードウェア含めての刷新や、Oracle CloudやOracle VMの活用など、幅広く検討を行った結果、既存の資産を生かして移行することとした。
インテージヘルスケアでは、調査業務のためのシステムを主に2系統運用している。一つは、Faxなど紙の調査票を受領して、社内でデータをエントリーし、データマネジメント業務を行うためのシステム。もう一つは、インターネットを経由して医師に直接調査票へ記入してもらうシステム(EDCシステム)だ。前者が2014年に移行を実施したWindows Server 2008とOracle Database 11g構成のシステムで今回の移行対象である。そして、EDCの後者は、初期構築を行った際にRed Hat LinuxとOracle Database 12cで構成している。
この資産を活用して、紙の調査票結果をエントリーするシステムのデータベースを、EDCのデータベースに統合する。つまり、Windows Server 2008とOracle Database 11gからRed Hat LinuxとOracle Database 12cへと移行することとしたのだ。「社内でOracle OFSとOracle RACを同時に運用管理している状態でしたので、その複雑さを解消するとともに、コストを抑えた移行を実現するためにこの構成に決定しました」と石川氏は言う。
そして移行をサポートするパートナーとして選ばれたのが、NTTデータ先端技術である。「これまでの移行の際にも、Oracleに精通したパートナーに支援をお願いしてきましたが、当社の要望に対して十分に対応してくれる提案を評価して、NTTデータ先端技術のデータベースクイック移行サービスを採用しました」と石川氏は話す。
単なるデータベースの移行にとどまらない柔軟な対応を高く評価
「NTTデータ先端技術の手厚いサポートで課題を一つひとつ潰していくことができ、スムーズにOracle Databaseを移行することができました。大変助かりました」
株式会社インテージヘルスケア
経営企画本部 IT推進グループ
石川 英樹 氏
NTTデータ先端技術の「データベースクイック移行サービス」は、アセスメントサービスにより最適な移行計画を提案し、事前準備から移行作業、アフターフォローにいたるまで積極的に支援を行う。インスタンスの作成からパラメータ情報の移行、移行リハーサル(実証テスト)、データの移行、移行後検証作業といった、Oracle Databaseの移行を一貫してサポートするものだ。
移行作業はシステムを設置しているデータセンターにリモートでアクセスする形で実施した。しかし、検証を行っている間にいくつか課題が見つかったと石川氏は振り返る。「移行元のシステムは長く利用していることもあって、レガシーな部分が多くありました。また、OSがWindows ServerからRed Hat Linuxに変わることもあり、Windowsに依存していた機能をどうするか検討しなければならず、そうした部分で苦労しました。しかし、NTTデータ先端技術の手厚いサポートで課題を一つひとつ潰していくことができ、スムーズに移行を完了することができました。とても助かりました」と石川氏はNTTデータ先端技術の対応を高く評価する。
NTTデータ先端技術がこれまでに蓄積してきたノウハウや知見をもとに手順を最適化した移行サービスを利用することにより、移行は約3ヶ月で完了。従来よりも短期間で完了することができた。「前回の移行が半年ほどかかっていますので、その約半分ほどの期間でデータベースの移行を完了できました。今回の移行サービスを利用してとくに助けられたのが、単にデータベースの移行にとどまらず、その先の社内システムとの連携部分まで、手厚くサポートしてくれた点です。データベースの移行自体は問題なく行われ、そのシステム自体がちゃんと稼働していても、他のシステムとの連携部分で問題が生じることはよくあります。NTTデータ先端技術は、この部分の知見や経験も豊富で、今回の移行で他の社内システムとの問題が発生した時に、問題の切り分けや検証方法までも提示してくれました。データベースの移行プロセスはもちろん、その後の検証まで含めてスムーズに行えたことが、短期間での移行を完了できた理由だと思います。そうしたNTTデータ先端技術の柔軟な対応に感謝しています」と石川氏は言う。
リカバリに関する知見の蓄積、顧客への客観性をもったエビデンスを獲得
移行完了後、NTTデータ先端技術では、データベースの運用管理性などをさらに向上させるさまざまなサービスを提案した。この中でインテージヘルスケアは、「リカバリ検証」サービスを採用。NTTデータ先端技術のリカバリ検証は、有事の際に実行するリストア/リカバリのプロセスを事前に検証し、「もしも」の場合にも安心してリカバリ処理ができるように支援するサービスだ。
インテージヘルスケアでは毎年一回、社内でトレーニングも兼ねてリストア/リカバリの検証を実施している。今回はシステムの変更もあり、またOracle Database 12cのリカバリについてのさらなる知見を蓄積するためにもNTTデータ先端技術のリカバリ検証を実施することとした。例年自社で実施している検証ではありますが、NTTデータ先端技術のような信頼ある企業に第三者として評価してもらうことは、当社のサービスの信頼性、安全性のエビデンスになります。当社のお客様は製薬会社様が中心ですので、よりしっかりとしたエビデンスが求められます。その回答として自信をもって提出することができます」と石川氏はリカバリ検証実施の意義を語る。
なお、今回のリカバリ検証については他のベンダーが提供しているサービスなどとの比較は行わなかったと言う。「データベースの移行でNTTデータ先端技術への信頼ができていましたし、コストパフォーマンス的にも満足のいく提案でしたので、他を検討する必要はありませんでした」と石川氏は言う。
検証では、データベースのリカバリが必要となった際に備え、システムにおける既存のバックアップファイルを用いて、準備された手順によりリカバリが問題なく完了することの確認を行った。
「これにより次からは今回の検証の知見をもって社内で確認していくことができると思います」と石川氏は語る。
OS、データベース、ハードウェアの切り替えを低コスト、効率的に
データベースクイック移行サービスを利用したOracle Databaseの移行、および、リカバリ検証を完了したインテージヘルスケア。提案から実作業、その後のサポートについても「技術力、コスト、柔軟性、すべて満足しています」と石川氏はNTTデータ先端技術を評価した。
インテージヘルスケアでは今後もシステムの安定稼働、業務効率化、コスト削減など、ビジネスの基盤となるITの充実を図っていく。最後に、石川氏は今後の展望として、「例えば、今利用しているRed Hat Linuxの延長ライフサイクルサポート終了期限が2024年ですので、OSの移行が必要になってきます。OS、データベース、ハードウェアなどさまざまなライフサイクルでの切り替えを行っていく中では、繋ぎの期間がとくに重要で、そこにどれだけコストをかけずに、効率的に安全に繋いでいけるかを考えなければなりません。今後もNTTデータ先端技術の提案、支援を期待しています」と語った。
NTTデータ先端技術ではこれからも、データベースにとどまらず、インテージヘルスケアの抱えるさまざまなITの課題を解決するために、積極的な支援を行っていく。
プロジェクト担当者より
データベースクイック移行サービス/リカバリ検証サービス 営業担当
データベースクイック移行サービスとリカバリ検証サービスをご利用いただき、サービスにもご満足いただけたとのことで安心しております。営業と技術で連携し、インテージヘルスケア様のご要望にレスポンスよく、しっかりとお応えできたと考えております。今後もシステムの更改などさまざまな課題に対して、ぜひ一緒に考えていければと思っております。これからもお客様に寄り添ったサービスの開発を進めてまいりますので、末永いお付き合いをいただけますと幸いです。
NTTデータ先端技術株式会社 基盤ソリューション事業本部
オラクル事業部 営業担当 小沢 大作
データベースクイック移行サービス/リカバリ検証サービス 営業担当
今回のインテージヘルスケア様のデータベース移行では、OSとOracle Databaseのバージョンも変更となりました。そこで、バージョンを揃えたうえでオブジェクトタイプごとにサンプルを用意した事前検証および、開発環境を用いたリハーサルや本番環境の平常時取得バックアップデータを用いたリハーサルを重ねるなど、総合的な支援をさせていただきました。環境固有の問題が発生した際には、エラー内容から暫定対処策を検討・選定し、事象の回避を行い、調査結果を報告させていただきました。
NTTデータ先端技術株式会社 基盤ソリューション事業本部
オラクル事業部 営業担当 菅野 卓哉
データベースクイック移行サービス/リカバリ検証サービス 技術担当
リカバリ検証では、過去に実施した検証記録や試験の目的を再整理して、優先度の高い試験内容を手厚くするプランに組み替える提案をさせていただきました。確認項目などの整理を行い、次回以降の取り組み時の参考としていただける内容となっております。なお、当日は一部想定と異なる事象が発生したため、エラー内容から追加の手順を検討、既存の手順との差分を明示し、手順への取り込みを実施させていただきました。
NTTデータ先端技術株式会社 基盤ソリューション事業本部
オラクル事業部 技術担当 長瀬 彬
データベースクイック移行サービス 技術担当
今回のデータベースクイック移行サービスでは、Oracleの標準機能である「Oracle Data Pump」を用いたデータ移行を実施させていただきました。手順作成や検証については、主に弊社検証環境にて確認を行いましたが、異なるプラットフォーム、バージョン間での移行であったため、万全の体制で臨めるようお客様とご相談のうえ、現地にて数回リハーサルを実施いたしました。結果として、本番移行当日は大きな問題も発生せず、計画通りに作業を完了することができています。今後も、お客様に対応いただく必要があるタスクを少しでも多く弊社側にて実施するなど、より一層満足いただけるサービスとなるように改善を行ってまいります。
NTTデータ先端技術株式会社 基盤ソリューション事業本部
オラクル事業部 技術担当 内田 裕一
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